第6話 Z世代以降のネタバレ。

「こっちは小さい方で、こっちは大きい方ね」

布オムツを引き出しに入れながら夫に話しかける。

一番上の引き出しには、体温計と爪切り。


そろそろ生まれてくる赤ちゃん用品の準備。


「……小さい方と大きい方って何?」

真剣な眼差しで聞く夫に、笑顔で答える私。


「小さい方はおしっこ用で大きい方がウンチ用だよ」

「……ん? 意味が分からない」

首を捻る夫に、私に任せてと胸を叩く。


あれから二十七年、穴があったら入りたい。

自信満々に胸を叩いた自分にバカねって言いたい。



娘のお腹が大きくなった。八ヶ月。順調だ。

動けるうちに色々準備しておくように伝えるデバネズミ。


ほとんど準備したという。

いや、もうどこで何を購入するかチェック済みだ。


ベビーカーとベビー布団はネット購入だそう。

いい物が安く手に入るらしい。

店頭まで行かなくてもポチッとすれば簡単だ。


便利な時代になったと思う。さらに

1995年生まれから2010年生まれを

Z世代といいそれ以降はデジタルネイティブ世代。


生まれた時からインターネットに囲まれて欲しい物も

欲しい情報も、連絡も、娯楽もそれで事足りる世代。


観たい映画は二倍速で観る。

先にあらすじ読んで、ラストも分かってるのを選ぶ。


広く浅く、多くの情報を取り入れるため?

動画では、興味ないシーンや重要でないシーンを飛ばす。


全ての人がそうではないと思うけど、

そんなに時間に追われているのかと、

じっくり観ないと勿体ないと、

感動しないと情緒が育たないと

老婆心ながら思ってしまった。


時間に追われているだけではなかった。

泣いたり、ハラハラしたり、胸が痛んだりするのが

疲れるからラストまでわかっている作品を選ぶそうだ。


ネタバレしないようにレビューを書いてるね、私。

自分の目でお確かめ下さいって言ってるね、私。


『水戸黄◯』のようなオチがある方が安心出来るって事?

必ずこうなるって分かってる方が読まれるって事?


ジェットコースターのように感情を揺さぶられたり

号泣する作品で楽しむ世代ではないのかしら?


うーん、朝読の五分のお話。悩む。

Z世代より手強い世代だと思う。


さぁ、夫が意味が分からないって言いました。

なぜでしょう? 

やっぱり私はオチが欲しいお年頃。

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