ハダカデバネズミの幸年期♡ パート3

星都ハナス

第1話 報告は突然に!

それは突然やってきた。

年金定期便ですか? 

ワクチン接種券ですか?

それともお墓の案内パンフレット?


違います。


夫とテレビを見ながらお茶していると

📩『明日、遊びに行っていい?」

嫁いだ娘からメールが入る。

にやけながら返信するデバネズミ。


明日は残念な事に夫は仕事である。


「会いたいよね? 何か伝言ある?」

少しドヤりながら夫に聞く。

「別にない」強がりをいう夫。


📩『じゃ、お昼ご飯用意して待ってます!』


私は返信後、冷蔵庫を開けてメニューを考える。

何を作ろうかな。煮物がいいかな。ルンルン。


あっ、たまにはお寿司でもいいかな。外食しちゃおう。

一人ウキウキ妄想デバネズミ。

キッチンであーだこーだしていると夫が来る。

私の耳元で囁く。


「ナマモノは食べられないって。さっき電話があった」


何ですと! 

お寿司食べたいのがバレた、いやいつ電話があった?!


それより夫の顔がほころんでいる。何で?

「出来たみたいだよ。……つわりだって」


? 

懐かしい響きにアワワする。


娘の妊娠報告は突然だった。

何でメールで教えてくれないの。(泣)

どうしてお父さんに電話で言うの。(泣)


娘が誕生して先に抱っこしたのも夫だ。

ママより先にパパって言った。


「身体にいいもの作ってあげてね」


ドヤりながら言う夫が憎らしい。


こうして娘の妊娠報告は夫経由で突然でした。


いいの、いいの。

これからも私は幸年期。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る