契り

日景の餅小豆

星になった子


 かつて神と人の子の間に生まれた双子の兄弟がおりました。兄のカストルは剣の名人で人間でした。弟のボルックスは馬術に優れており神の子として不死身の体を持っておりました。彼らは武術に優れていたため、ともに戦場を駆けめぐり、多くの武功を立てていました。彼らはとても仲の良い兄弟でしたのでいつも共に行動しておりました。

 ある日のこと、いつものように戦場に出ていた時のことでした。兄のカストルが流れ矢に当たり、死んでしまったのです。

 弟のボルックスは嘆き、悲しみました。いつも一緒にいた兄がいなくなってしまったことを受け入れることができません。ボルックスは不死身の体を持っているため、死ぬことすらできないのです。

 ボルックスは神である父に頼みました。「どうか、私の体の不死身の力を解いてください」と。

 兄を慕う姿に心打たれた神はその願いを叶えてやります。

 こうして双子はともに夜空にのぼり、星となったのでした。

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