第7話 三十六計逃げるに如かず
その戦いは何方が勝っていても何らおかしな事はなく誰が見ても白熱した、そしてギリギリの戦いであったと言えよう、それ程までに拮抗していたので有る。
中には確かにギリギリだったがもっと上手くやれたなど神楽は初めてのまともな戦闘だったなどの無粋な言葉を言う奴は、うん
ともあれ神楽は一先ず命のやり取りに勝ったのであった。
「あっ、ヤベェコレ、忘れてた、俺、これ血ぃ失い過ぎたな本当にあっ」——バタ
それから暫くし神楽は無事に意識をを取り戻した。
因みに神楽は前に倒れるようにして気を失ったのもあって運悪くまたもや奈落の深部へと吸い込まれるような落ちていった。
「ん、ンん?んんん?此処、何処だ?俺はこんなとこには居なかった筈なんだがな、、、」
いま神楽が居るそこは幅半径二百数十メートル程のまるで巨塔の様な高さのある岩山の様でありその岩山は何者かが住んでいた形跡(巨大)があり崖を見ると底は見えず小石を投げても底に着く気配も無く周りを見てみるとブラックタイガーがいたドーム状の洞窟の中の様ではなくまるで地下世界とと呼ぶに相応しい広さのあるものであった。
「これは、今は誰も居ないけど俺も無理?、か、、、多分これ俺が最初に落ちてきた穴より高さあるぞ?圧倒的なステータスが有れば、うーん、、、しかも衝撃は消えないからな、気を失ってる時スキルが発動するかすらも分かんないし刻印は自動で消えるからなぁ、、、この展開は全くありふれてない、はぁ〜俺が風属性魔法使えたらなぁ魔力でゴリ押し出来たのに」
幸か不幸か今神楽が居るその岩山には魔物は一体も居らず争いになる事は無かった。
「あっそうだ、全部攻撃と防御に振ってこの岩山壊しながら無理矢理降りてくか?」
そうして考えた案は余りにも馬鹿丸出しであった。
何故ならこの岩という物の中には必ずと言って良いほど魔物がいるのだ、それは当然この岩山でも同じ事でこれ程の大きさならば全体的に見れば万匹は居るだろう。
ましてや此処はいわば人類の未開拓領域で有り個々の魔物の強さも桁違いに跳ね上がっている、当然感知能力も桁違いでありそんな化け物が万匹居る中で神楽の全力パンチなどしたらまず間違い無くその魔物の餌食になるだろう。
「ふぅ、まぁ取り敢えず石でも投げてみるか」 ヒゥゥ…………コンコンッコン——バゴォォォン
それは聴こえた、確かに聴こえた。
それは決して底に落ちたせいで聴こえた落下音では無く殆ど縦九十度の角度で有るが一応斜面になっている為に石がその斜面に数回当たったのだ。
その結果この巨大な岩山に住み着いている魔物を呼び起こす事となった。
その魔物はサンドワームに似ているが岩山に潜っていることもありロックワームといったほうがいいだろう。
そのロックワームは通常のワームよりも小さくその全長はサンドワームが通常個々で生息している十数メートルも有る者とすればロックワームは精々二、三メートルがやっとだろう。
「ッアレは、サンドワーム、か?いやだけど小さ過ぎるしサンドワームにはこんな岩山を喰らって動き回ることなんて出来ない、、、ッ!?喰らってる、なら俺が此処を全力パンチなんてしたらもしかしたら、崩壊、するか?」——ガコンッ
「ダメ、だなこれは」
いま神楽が足を踏み込んだその場所が足が少し埋まる程にまで崩れた
すると突然ゴゴゴゴゴゴゴゴと言う様な圧と音が聴こえた。
しかもその音と圧はどんどんどんどんとこの岩山の頂点目指して近づいて来るのを感じた、そして不審に思った神楽が音の方を見ると凄まじい圧と熱気を放っているドラゴンと目が合った。
あの巨大な何者かが住んでいた形跡はこのドラゴンが付けていたのだった
「おい、オイオイオイオイッ俺、こんなの聞いてねぇぞこんなバケモンが居るだなんて」
——ステータス—————————————
【種族】 魔双竜
【名前】 フロガレイア
【年齢】 576
【レベル】 666
【生命力】 5664
【攻撃力】 6958
【防御力】 3968
【魔力】 16923
【魔防御力】 8512
【俊敏】 6641
【幸運】 10
【装備】
【装飾】
———スキル——————————————
————————————————————
———称号———————————————
破壊之竜王 奈落之竜王 魔竜 双魔之竜 真の強者 遊戯 炎之竜王 地獄之竜 レベル固定 天災 理不尽 恐れ多き王 竜王 この世で最も龍に近い者 力の象徴 紅蓮之炎 力を求める者 反逆者 縛られの竜
————————————————————
「化け物、」
『ドラ゛ア゛ァァ゛ァァァァァア゛ァッ!!』
その竜が叫び終わった瞬間、神楽と竜王の戦いの幕が切って落とされた
『グゥッラ゛ァァァァァァ!!』
「ッ!?俊敏全振、りッ!!(不味い不味い不味いッアレはなんだ?、!!竜星、本当にそれを使って来るんなら、俺より瞬間火力が高くなるかもしれない、当たったら、死ぬ」
『ア゛ァァァァァァァァァッ!!!』
その瞬間、竜は神楽がいた所に隕石の様な威力とスピードで襲い掛かった。
だが神楽は全てのステータスを俊敏に振りすぐさまそこを離れた。
「グッガハッ、余波がここまで、アイツとの間は数十メートルも有るんだぞ?、馬鹿げてる、正直言って今すぐ逃げ出したい、だけど逃げれないんだよッここから飛び降りてもアイツの餌食になるだけだ、、、ッきた?、下か!!」
神楽は地割れと不審な音が近づいて来ている事ステータスを攻撃と防御俊敏に回して飛び退いた。
結果は当たり、竜は突撃してから岩山の中から神楽の事を狙って来たのだ。
だが、流石に竜もその事は読んでいたらしく大きく飛んで身動きのし辛い神楽に向かって竜の息吹を行った。
因みに岩山は最早足場は殆ど崩れておりロックワームが大量に屯していた。
その光景はとても気持ちの悪いもので大量のロックワームがうねうね動き回ってるのを見るという事は凄まじい精神的なダメージを負うこととなるだろう。
「ッ防御———ドゴォ゛ォォォンンン
竜の息吹は魔竜の企み通り当たったが神楽はギリギリ生きていた、
ギリギリ、本当にギリギリ防御にステータスを全振りする事が出来たのだ。
だがその事に苛つきを覚えた魔竜は再び竜の息吹を今度は連発した。
「またッ攻撃全振り!!」
神楽は攻撃にステータスを全振りをし、攻撃を放つ事で自身の位置を動かし竜の息吹の軌道をずらしながら相殺する事で全て回避する事に成功した。
そして神楽は再び永遠の闇に呑まれるが如く奈落の底へ目指さんと落ちていった。
「じゃあな魔竜、、、ッおってくんのかよ、まぁアイツ下から来たしな」
ドゴォォォォン
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、竜は?俺は生きッ———グシャ—へ?」
神楽は背後から魔竜の鉤爪に心臓を貫かれ、アッサリと命を落とした。
その日神楽は二度目の死を体験した。
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