ヤバくないですか、コイツ。

 迷宮都市キャストルリアーヌに〈ディメンションゲート〉で転移します。

 そして大迷宮へ。

 今日は第三十階層からスタートして、一気に第四十階層まで行きたいと思います。


 雑魚にレッドドラゴンやフロストドラゴンなどの竜が出てくるようになりました。

 普通のパーティなら撤退しているところですが、私たちは普通じゃないので、問題なく殲滅できてしまいます。

 この辺り、もう迷宮の天井も高いので常にミアラッハは空歩していますし、私も光翼で飛行しています。

 自作魔法〈マッピングラビリンス〉で階段目指して一直線。


 第三十五階層の中ボスは?

 氷の大精霊ミーミルが三体です。

 イフリートと同格の奴が三体ですか……まあ問題はないでしょう。

 〈アイスプロテクション〉をかけて、魔法斬りで削っていきます。

 中ボス部屋には吹雪が吹き荒れますが、〈アイスプロテクション〉のおかげでダメージはほとんどありません。

 ついでと言わんばかりに太い腕で殴ってきますが、それをかいくぐって攻撃し続けます。

 一体が溶けると、二体目、三体目も後を追うように倒れていきます。

 そして後には雪が積もった中ボス部屋が残るのみ。

 精霊ゆえに死ぬと消滅していまうため、剥ぎ取るものもありません。

 苦労に見合わない相手でしたね。

 吹雪のせいでビショビショになったので、自作魔法〈ドライヤー〉でミアラッハと私に乾いた温風を吹き付けて乾かします。


「便利な魔法ね」


「でしょう? これもオリジナルなんですよ」


「ほいほいと魔法を作りよる……まあ快適だからいいけど」


 ちょっとだけ休憩してから、第四十階層を目指します。

 雑魚にもうミスリルゴーレムとか出てくるようになりました。

 下はミスリルゴーレム、上は各属性のドラゴン、素材が美味しいですねえ。


 さて第四十階層の中ボスは?

 アルゴスです。

 百の目をもつ巨人ですね。

 巨人族の中では最強の異名をとる化け物です。


 もうこんなのが出てくるのか……。

 アルゴスは闘気をまといながら複数の魔法を操るオールラウンダーのようですね。

 驚くべきことにミアラッハの魔槍でもかすり傷しか負いません。

 ヤバくないですか、コイツ。


 アルゴスは〈フレイムストーム〉と〈サンダーストーム〉を連打してきます。

 こちらは真闘気法で防御を硬め、攻勢に出るしかありませんでした。

 多少の傷は後で治療するとして、私は〈ディメンションスピア〉を使った瞬殺コンボをとにかく放ちます。

 空間に穴を開ける〈ディメンションスピア〉の雨にズタズタにされたアルゴスは、あっさりと絶命しました。


「第四十階層でこれってマジか……」


「クライニアがいなければ、私ひとりじゃ倒せなかったね」


「ミアラッハの魔槍で貫けないとなると、かなりの防御力ですよね」


「なんというか、硬いというよりもっと法則的なもので弾かれていた気がするの。魔法斬りも試したけど、通じなかった」


「ふむ……」


 これ以上の難易度の魔物が配置されているとなると、ちょっと厳しいですね。

 大迷宮の破壊は思った以上に骨が折れそうです。


 〈ヒール〉でミアラッハと私を回復します。

 今回は結構、ダメージを受けてしまいました。

 ともあれ大迷宮の破壊こそが神になる条件です。

 真っ先にここを破壊しなければ、壁を超えて強くなることはできないでしょう。


 手を繋いで転移魔法陣に乗ります。


 * * *


 冒険者ギルドで大量の素材を放出しました。

 解体と精算に時間がかかるそうなので、後日で良いと言い残して置いていきます。


 師匠のところで蒸留器を十台受け取りました。

 これで第二階層に設置された蒸留器は八十台です。

 樽をDPで出して、ブランデーは保管庫に。

 この調子だと保管庫もすぐに一杯になりそうですが……まあそうなったら私の〈ストレージ〉に保管すればいいだけです。


 夕食を食べたらリュートの練習をしてから、オーガ先生のもとへ。

 さあハーミットを鍛えますよ!!


 本格的に強くならないと、大迷宮の中ボスたちに勝てなくなりそうです。

 創世神は私に勝てるのは古代竜くらいのものとは言いいましたが、私に深手を負わせることのできるくらいの強さの魔物はまだまだいるのかもしれません。

 負けないまでも、怪我をするのは嫌ですから、もっと強くなっておかなければなりません。


 さて夜明けです、ハーミットのレベルは?

 一気に66まで伸びました。

 スキルがふたつ増えますよ。

 新しいスキルは?

 【変身】と【過去視】です。

 変身は外見を実存するあらゆる生物に変化させることのできるスキルです。

 ただし変化するのは外見だけで、基本的なスペックは私のままです。

 あまり使い道を思いつかないスキルですね。

 過去視はその場の過去や、対象の人物の過去を読み取る力です。

 犯罪捜査に役立ちそうではありますが、多忙な私がすることじゃありませんね。


 思った通り、人外系のスキルを習得できましたが、戦力アップには繋がりませんでした。

 80レベルと100レベルのスキルに期待しましょう。


《名前 クライニア・イスエンド

 種族 人間 年齢 15 性別 女

 クラス ハーミット レベル 66

 スキル 【日本語】【レクタリス地方語】【ルテイニア地方語】【算術】

     【礼儀作法】【宮廷語】【全属性魔法】【闘気法】【真闘気法】

     【聖闘気】【練気】【仙術】【呪歌】【魔曲】【舞踏】【馬術】

     【騎乗】【人馬一体】【錬金術】【魔法付与】【鍛冶】【量産】

     【人形使役】【剣技】【剣術】【葬剣】【剣理】【槍技】【槍術】

     【葬槍】【鎚技】【二刀流】【多刀流】【武器伸長】【霊鎧】【聖殻】

     【素手格闘】【投げ】【関節技】【格闘術】【回避】【対人戦闘】

     【先の先】【後の先】【魔法斬り】【鎧貫き】【突撃】【気配察知】

     【罠感知】【罠設置】【魔力制御】【魔法範囲拡大】【魔法収束】

     【魔力自動回復】【同時発動】【多重魔力腕】【消費魔力軽減】

     【多重詠唱】【無詠唱】【魔法武器化】【魔力強化】【耐性貫通】

     【怪力】【宗匠】【俊足】【跳躍】【魅力】【気品】【美声】

     【カリスマ】【威厳】【獅子心】【幸運】【夜目】【鷹の目】

     【過去視】【夜の王】【毒無効】【不眠不休】【誘惑】【威圧】

     【畏怖】【指揮】【鼓舞】【士気高揚】【戦技教導】【福音】【変身】

     【光輪】【光翼】【飛翔】【絶対命令】【魔法創造】【剣術創造】

     【創世神信仰】【神託】【シャルセアとの絆】【ルマニールとの絆】

     【ヨルガリアとの絆】【アルマルドとの絆】【小型召喚】【騎獣強化】

     【迷宮管理】【迷宮帰還】【迷宮の申し子】【迷宮外設置】

     【迷宮介入】【迷宮破壊】【経験値20倍】【熟練度20倍】【転職】》


 さあ朝食を摂ったら、第五十階層目指して頑張りましょう!!

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