「来世は猫になりたいんだ。」


 唐突に君が言った。


 「何で?」


 決まり文句として訊ねた。


 「猫は人が行けないところに行ける。

  猫は人より眼が良い。

  猫は人よりのんびりしてる。

  人より短い命なのに

  人よりも感じる時間がゆったりしていそう。」


 君はいつも忙しそうにしている。

 人に褒められるたび、笑顔で、


 君はそう思っていたんだね。


 僕は君の頬に頭を寄せてから、ふわりと立ち上がった。


 かみさま もし きこえるなら


 かれを ねこに して ぼくのところに


 つれてきて ください

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