癇癪と排斥
僕は時折、自分の思うように事が進まないと頭の中が破裂しそうになる。そもそも同級生は皆敵だ。思うように事が進むことの方が少ない。ある日僕はいつものように「在日」とはやし立てられていた。父親を「パパ」ではなく、韓国語で「アッパ」と呼んだことが原因だ。その日はなぜか、これまでにないほどに頭に血が上った。教室の中だったので、手元には机と椅子があった。僕は机を投げつけ、はやし立てる男子生徒の側頭部を椅子で殴った。それからのことははっきりと覚えていないが、気が付けば四人の同級生が血まみれになって倒れていた。僕が泣くと先生が駆け付け、救急車を呼んだ。その日以降、僕ははやし立てられることはなくなったが、人の輪に入れてもらえることもなくなった。虐められさえしない日々の始まりだ。独りぼっちの学校生活というのは、虐められるよりも辛い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます