第3話 手紙
付き合い初めて時間がたっても
私がなかなかその緊張感に慣れなくて
うまく喋れない日が続いてたある日
これからは・・・って、手紙が渡された。
色んな出来事とか気持ちとか
こうやって書いて伝え合おう・・・って。
丁寧に書かれた手紙。
男の人にしては、可愛い文字が印象的で。
こっそり渡し合う手紙が、その日から楽しみになった。
あなたは受験生だったけど
沢山の手紙を私に書いて渡してくれた。
同じ寮に住んでいた私たちは
時々、夜に待ち合わせてこっそり階段の踊り場で会って話をすることもあった。
その時も、緊張して沢山お喋りできなかったけど、一緒に居られる時間は嬉しくて
宝物のように思ってた。
・・・その時に、あなたにそうやって伝えることができてたらな・・・なんて思うけど。今だから思えるけど、その時には戻れなくて
そうやって伝え忘れた気持ちが
長い時間を経て
大人になったあなたに再会したとき
溢れだして止まらなくなったの。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます