第47話 ライラの本音と問題の先送り
ライラはただただ晃司の話を聞いていた。
これまでだと適当な事を言ったりけなしていたであろう。
「晃司にとって都合の良過ぎる話だと思うわ。確かに男からしたら魅力的な話だけれども、裏がないか疑るわよね」
「確かにそうなんだ。可哀想だと思うし、そんな立場から救ってあげたいとは思うけど、好きな人や娼館で金を払った相手ならともかく、そんな事情を知って抱ける程俺の心は図太くないんだ」
「相変わらずお人好しね。ううん。文句を言っているのじゃないの。本音は晃司の初めての相手がその女になるのは嫌なの。でも、それでその女が死ぬ事になったら晃司は一生後悔するのよね?」
「間違いなく」
「じゃあこうしなさい。アカデミーの規則で在校中は性交渉が出来ないから女性を抱けない。だけどその女は気に入ったから卒業後ならその女から抱きたいとして奴隷商と交渉するの」
「なるほどな~。ライラ、悪いがアモネスを呼んで来て欲しい。その旨を話し陛下に交渉したい」
「そうね。そうしましょう」
その後アモネスとライラの3人で話した。
やはりアモネスは今すぐに抱いた方が、その女性の心の安寧の為になると言う。しかし無理だ。
そして3人で陛下と向き合い、至急奴隷商を呼ぶ事になった。
あの女性の認識違いで奴隷商は町にいたので直ぐに登城した。
国王と言うか、王妃も奴隷を持つ事が出来ないので、奴隷身分の夜伽相手は奴隷商が管理をさせられているだけで、じゃあ晃司様の奴隷にしておけば良いとなり、夜伽をするのはアカデミー卒業後との事と、その女性達の奴隷開放は禁じられた。
奴隷商は嬉々として国王の夜伽相手になっている奴隷の美少女達を晃司の奴隷とした。
問題が先送りになったたけだが、条件は定期的に会い、お茶会をしたりしとお互いをよく知る事を求められ、卒業まで放置は駄目だとなった。
取り敢えず城から出せない事から城でアモネス付きのメイドになるべく、メイド長に身柄を預けた。
ただ、その日の夜晃司はライラの部屋にいた。
ライラは心を許した相手には優しく素直だった。
アモネスのいう通りだった。
チョロかった。
生い立ち等効いてもいない事を話し、最初アモネスが召喚した勇者の筆卸の相手として純潔を捧げ、アモネスと結婚するまでに女慣れする為に抱かれ続ける事を義務付けられていたと話した。
晃司はそんなライラが可哀想で仕方がなかった。
これまで何年もの間、いずれ好きでもない相手の慰み者になるのだと悲観して生きていたライラはまさか自分が人を好きになり、その相手から好きだと言われると思っていなかったと。
そんなライラが愛おしくなり・・・風呂で裸の女性を見たのもあり・・・ライラと彼女の部屋で2人きりだった。
ラミィも好きだが、彼女の年齢はまだ幼く体の関係になるのは早いと思っていた。
そしてライラも晃司もお互いの全てを受け入れると決め、アモネスが思い描いたように肌を重ねるのであった。
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