第22話 ネリスとの風呂タイム

 ネリスは晃司の目の前で着替えを始め、晃司はそれを見て慌てて背を向けたりしており中々服を脱がない。

 異性が同じ部屋で着替え出したのを恥ずかしがっていた晃司の服は、業を煮やした青髪の侍女が有無を言わせずに剥ぎ取った。 

 濡れ布巾で軽く拭いてから服を着させていく。

 すぐに背中を向けたとはいえ、ネリスが服を脱ぐのを見てしまい大きくなった如意棒だが、女性に拭かれた事により更に反応していたから真っ赤だ。


 グロい!動くな!とか文句を言われ、強引に体の向きを変えさせられていたりした。

 勿論若い美女の前でご開帳だ。


 ライラと言われる侍女に体を拭いてもらったが、風呂でスッキリしてくるようにと言われた。


 この侍女文句を言ったりと口は悪いが、恥ずかしがったりせずに堂々としていたしエロさがない。

 ひょっとして王族はこうやってメイドさんに裸にされるのか?と思っていた。

 確かに小説等にはそのようなのがあり、そのままお手付きとか?まさかそんな小説の中の話が自分に降り掛かってくるとは喜ぶべきか、嘆くべきなのか?


 確かに風呂に入ってちゃんと洗わないといけないなと思い、ネリスがまだ着替え中なのもあり侍女に案内され風呂場に行く。


 脱衣場にまで一緒に入ってきて服を脱がせようとするので、ネリスを見てあげてと言って追い出してそそくさと1人で風呂場に入る。


 体をささっと洗っていると、ふと誰かが入ってきた気配がした。

 するとその誰かがいきなり背中を洗い出したので驚いた。


 力強く丁寧に洗ってくれる。

 ふと誰だろう?と後ろを向くと湯けむりで体は見えなかったが、顔は判別できた。

 だが、そこにはネリスがいて背中を洗ってくれていた。


 えっ?やはりこの世界は混浴?貴族はそうなのか?と思うもつい意識してしまう。多分裸だ。いや、絶対裸だ!賭けても良い!


 急いでお湯を掛けて湯船に浸かると背中を向ける。

 間違いなく向こうを見たらエッチな目で見る自信がある。

 男として最低な事はできないし、美女の裸は童貞には刺激が強い。


「あのう、私がお背中を洗ったのはお気に召さなかったでしょうか?」


「いや、有り難いけど・・・俺の問題なんだ。この世界は混浴が当たり前のようだけど、俺のいた世界では男女別なんだ。あんたのような美女の裸なんか見てしまったら、男として反応して不快な思いをさせてしまうから」


 ネリスは己の体を洗い、体にお湯を掛けて汚れを流すと、迷わず湯船に入った。

 そしてそれが当たり前のように晃司の横に座った。


「その、この世界はですね、メイドが裸で王族の体を洗うものなのです。市井の者はというよりも、浴場は貴族も男女別です。私は勇者様の専属メイドを申し仕りましたので、お風呂を共にしております」

 

 ふと横を見ると生の胸が水面の下に見えた。

 初めて生で見た胸に反応してしまい、股間を隠す。


 そうやって真っ赤になり再び背中を向ける。するとネリスが再び横に来た。

 彼女は晃司に気に入られようと必死だった。


「その、胸が見えているよ!出来たら隠して欲しい。俺の理性が持たない」


「構いません。わざと見せておりますから。せめてもの罪滅ぼしに勇者様に抱かれなければなりません。お情けを!」


「王女に言われたのか?」


「いえ。私が自ら王女様に進言致しました。殿方は例え殺したい位に怒りをぶつけたい相手であったとしても、1度肌を重ねたうえ、尽くしてくれる相手には寛容なものだと聞いております。ですから・・・その・・・私を抱いてくださっても構いません。いえ、抱いてください!それと王族にはこうやってメイドと風呂を共にした後、肌を重ねて子宝を得る事もあり、その場合、卑しいメイドが妾の1人として厚遇されます。メイド冥利なのです」


 テンパっているようで、聞いてもいない事を話していた。


「ネリスさん、俺は好きな子がいるんです。確かに貴女は女性としてみれば美人で魅力的です。でも貴女を俺の立場を利用して抱くなんて、その子の顔をもう見れなくなり、恥ずかしくて前に立てないんです。だからこんな事は止めましょう。風呂に一緒に入らなければならないならせめて胸を隠してください」


「優しいのですね。本当に良いの?貴族を抱くチャンスなのですよ?」


「ここが娼館で、貴女が僕が買った女なら抱くけど、そうじゃないんだ。生きてきた世界が違うんだ」


「でも私のした事は・・・」


「じゃあ今から抱くから立って!」


 ネリスは顔を強張らせながら立ったが、晃司はその裸体を見ないようにしてギュッと抱きしめた。

 ネリスは一瞬ビクッとなったが、力を抜いて晃司に身を委ねた。


 埒があかないので晃司は抱く=ハグをして風呂を出た。

 勿論ネリスの言う抱く=セックスだと分かっている。

 しかも扉を塞いで服を着るまでそうしていた。

 ドアを開けられるようにしてからそそくさと浴場の外に出た。


 そこには意外そうな顔をした侍女のライラがいた。


「晃司様?もうネリスを抱いたのですか?早漏さんですか?経験のない女性相手に乱暴に欲望をぶつけるだなんて鬼畜ですわね。可哀想なネリス」


「抱いていないよ。ネリスのいう意味で抱いたらラミィに嫌われるだろう?抱けってあまりにもしつこいから確かに抱いたよ。ギュっとハグする方だけどな」    


「あぁ、あの子ね。同意しているから大丈夫よ。それともそれは役立たずなの?勃たないの?さっきは見境なく大きくしていたけど?って今もじゃないの」


 タオルを剥ぎ取り、大きくなっている股間をツンツンしてきた。


 しかし晃司は余裕がある感じを演じる事にした。


「あんたはさっきと随分態度が違うんだな。まあいいや。今は好きでもない相手を抱く気分じゃないというより、初めては恋人と決めているだけさ」


「意気地なし。まあいいわ。下衆じゃないようだから。お嬢様を泣かせたら私が許さないからね」


 そうやってスカートをたくし上げ、そのすらっとしたセクシーな脚を見せてきた。

 いや、脚を見せたのではなく、その細い脚にはベルトに留められたナイフがあり、すっと取り出すと晃司の膨らんだ如意棒の根本に押し当てた。


「お嬢様の命により殺さないけど、男としては殺せられるのよ。覚えておきなさい」


 そうしていると、着替え終わったネリスが出てきたのであった。

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