第19話 おっきな湖に着いたよ。
私とフェルルはカカオ豆
そのおかげで、かなりの距離を進むことが出来た。
「そろそろ10分ぐらい経つかな?」
私はフェルルにそう尋ねる。
「うん」
フェルルは周りを
でもそのことを聞く気にはなれず、私とフェルルは先を急いだ。
「ん?」
「何か見えて来た?」
フェルルは一瞬止まった。
私は奥の方を見てみると、キラキラとしているものがある。何かはわからないけど、
「あれって……」
「行ってみようよ!」
私はフェルルの腕を掴んで、走り出した。
周りの草木を押し避けて、見えて来たのは大きな
「凄い、こんなおっきな湖があったんだ」
「騎士団が調査してたら、きっと
ここまでの道のりを考えれば、そうだろう。
それにしても大きな湖だ。
それとも
「うわぁ、冷た!」
私は湖の水に軽く手を入れてみた。
すると思った以上に冷たくて、すぐに手を水の中から出す。
その隣では、フェルルが湖の水を軽く
「うわぁ、この水、すごく美味しいよ師匠!」
「本当?」
私も気になって飲んでみた。
すると、全身を駆け巡る血の流れが早くなり、
さらに言えば、さっきまでの疲れが一瞬にして吹っ飛び、身体が妙に軽くなった。
「嘘でしょ。身体が軽い!」
「もしかしてこの水って、そもそも強力な
フェルルはそう解説する。
聖水がどんなものかは知らないけど、フェルルの顔色を見るに、かなりのレアケースなんだと思う。
「でもどうしてそんなのがあるのかな?」
「それはわかんないけど、少なくともこの湖全部が、聖水と同じってことは、それだけでかなりの大金になるかもね」
「そうなんだ」
「あ、あれ?」
私の反応が思った以上にショボかったからか、フェルルはあれれっ?となる。
私だって、そんなにお金にがめついわけじゃないんだよ。そう私はフェルルに
「よかった、もしこのことが、騎士達にバレたら、この湖は無くなってたかも」
「そうかもね」
それは何となく察した。
こんなお金になるものを見過ごすはずがない。私とフェルルはこのことは誰にも言わないでおこうと、そう心の中で決めるのでした。
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