第18話 これってカカオ豆?
私とフェルルはウィップフラワーの攻撃を何とか逃げ切り、森の奥の方まで逃げて来た。
帰り道は何とか
「疲れたね」
「そう?だらしないなー、師匠」
「私はフェルルと違って、鍛えてないの。いいでしょ、そのぐらい」
フェルルは
対する私はと言うと、転生者の
「水でも飲んだら?」
「そんなの持って来てないよ。でも……」
ふと地面を見れば、かなり柔らかい
ここけらビルドメーカーで土と水に分ければ飲めるかも、なんてことを考えてしまうほど、脳に
「何か甘いもの食べたいなー」
「甘いもの?ケーキとかだったら、町に戻ったらいくらでも
「そこまではいいよ。それに、食べるんだったらもっと
「しょ、庶民的?」
「例えばチョコレートとか?」
まぁ昔は日本でもチョコレートは庶民の食べ物じゃなかったらしいけどね。今となっては、チョコレートなんて
「でも、そんなものないもんね」
「う、うん」
フェルルは
それにしても
と、不満たらたらで歩いていると、何か見えて来た。
木になっている、黄色い実がある。
もしかしたら、
「フェルル、あれ何かな?」
「さぁ。採ってみればわかるよ」
それもそうだと思い、1つ採ってみる。
ラグビーボールみたいな形だ。それにしてもこの色合いに
「割ってみようか」
「うん」
私はその実を割ってみた。
すると中には真っ白な
「これ何?」
「うーん、もしかしてこれって」
私は何となく
そこで果肉を取り除いてみると、中には茶色の豆が入っています。それをみて私は
「カカオ豆だ!」
「カカオ、豆?」
フェルルはポカンとした顔で、首を傾げました。
「チョコレートの
知っての通り、カカオ豆はチョコレートの材料。だけど、地球だとブラジルやエクアドル、商品名にもあるガーナが有名だ。だけどそれらはどれも、暖かいところのはず。ここはかなり過ごしやすい環境だよ?
「変だね」
「あれじゃない?誰も近づかないから、知らない間に風に吹かれて、森の中で生えちゃったとか!」
まあその
でも今はそんなことよりも、
「ちょっと食べてみよっか」
「賛成!いただきまーす!」
パクッ!フェルルは口の中にカカオ豆を入れた。
しかしすぐに頬を
「に、苦い」
「あははっ。カカオ豆はミルクとかを加えないと、苦いんだよ。でもっ。うん、酸味があって美味しい」
ブラックチョコレートを食べて来たからよくわかる。甘くても苦くても、酸っぱくてもチョコレートはチョコレートだ。
「師匠、よく食べられるね。私はこんなの無理だよ」
「こらこら、こんなのとか言わないの」
私はちょっぴりフェルルにお
さらに持って帰れそうなやつはとりあえず持って帰ろうと、袋に詰め込むことにしました。
「いやぁー、大量だね」
「でもそんなにどうするの?」
フェルルは質問する。
そこで私は素直に答えた。
「すり潰して、
私はキラキラ笑顔で、そう述べました。
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