ぶどうの木とお星さま
倉井さとり
1
《見るものは、もうすでにかなり前から、ほかの誰かにその姿を見られている》
分かるだろ?
この意味。
あなたになら、これを見ているあなたになら。
∵
《きょうだい愛はすばらしい》、これはあなたも認めるところですよね?
というわけで、そのようなお話を、あなたの
∵
ここは、海ぞいのとある
カミソリのように切り立った
断崖すれすれの
半歩ほど先を歩くのは、
それに
ふたりは
が、ふと男児のほうが、おずおずそれはおずおずと口を
「ねぇ、ハラワタお
「あら、どうしたの? わたしのかわいい弟、ランパク
「ぼくの
「まあ! わたしのかわいい
「……だけどね、ぼく怖いんだ。
「やだっ……、そんなことを気にしているの? 世の中には
「でも……」
「まったく……あなたというわたしのかわいい弟は、
「う、う、――ウワアアアアアアァァァァァァーーーーイッ!! ありがとうお姉ちゃん。ぼくすごくうれしいなぁ」
「いいえ。わたしもうれしいわ。
「違いないやっ! だはははっ! ひゃははははっ!! ――ギャハハハハハハハハッ!! ――ウワアアアアアアアアアアアアアアア――!!」
「オホホホホッ!! オーホッホッホッホッホッ!! えっ! アレーーーーーーーー!?」
女児は、さて、と右手を自分の頭の上にのせ、まるで
さもまんざらでもないように、男児は、ニヤリニヤリと笑いながら、されるがままの
男児は、なに言われるでもなく
へらへらと笑う男児に、彼の背中を
女児は、ひとつぐちゃりと笑い。そして、マニキュアが
ぷっ、と
女児は、
笑いがすこしばかり
しゃべる。それが可能になった女児は、その瞬間に、
「
∵
おそらくこれを読んでいるあなたは、これでこのお話は終わりなんだって思ったんじゃないかな? だけど……もうすこしだけつづくよぉ?
このお話はもっとハッピーになります。
お話のなかでくらい……
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