第47話 糠漬けが食べたい
昨日、4月から漬け込んでいた自家製の味噌を開いてみました。半年ものです。茶色に変色しており、食べることは出来そうでした。原材料は、大豆ではなくて枝豆です。澱粉を発酵させるので、大豆でも枝豆でも、似たようなものです。折角なので、枝豆ならではの風味が感じられたら最高だなと期待していました。
自家製の味噌は、所々にカビが生えているのが普通です。スプーンで掬って捨てました。そのままの勢いで、豚肉でどて焼きを作ります。レンコンや人参、シメジも一緒にグツグツと煮込みました。美味しく出来たと思います。今朝目が覚めると、すっかり食べつくされていました。ただ、枝豆の風味は全く感じられません。どて焼きは砂糖を多用するので、味を確認するには不向きです。次回に期待です。
今日は、普通に味噌汁を作りました。サイドメニューは、切り干し大根です。味噌汁は、具に豚肉と玉ねぎを使いました。味噌の味を確かめたかったので、出汁は控えめにします。味噌を溶いて、味見をしました。
――美味い。
ただ、枝豆の風味は、全く分かりませんでした。半年という若さの所為か、あっさりとした口当たりです。枝豆の風味を探す旅は諦めました。
僕は、夜は晩酌と決めています。だから、おかずは酒のアテとして楽しみます。白ご飯は食べません。ただ、今日は、コシヒカリの新米を焚き上げたので、お酒の後にご飯も食べることにしました。
仕事上の縁で、近江産のコシヒカリをお客様から頂きました。さすが新米です。甘くて艶々で美味しかった。切り干し大根と、自家製味噌を使った味噌汁。最高です。ただ、何だか物足りない。なんだろう。目を瞑って考えました。
――あっ!
理由が分かりました。お漬物がありません。秋になり、気温が落ち着き、ご飯が美味しくなると、お漬物の存在が恋しくなります。お漬物にも色々ありますが、僕が好きなのは糠漬けです。明日からでも準備を始めたいと思います。
毎年のように、この時期になると糠漬けを作り始めるのですが、夏になると必ず腐らしてしまいます。それでも、やっぱり糠漬けが食べたい。これは、本能のようなものです。
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