第19話 真紅

朱音の相談を受けて休みの相談を会社にした刹那は、これまで有休を全く使用していなかった為、残業分との相殺で4日間の休みを取れる事になれた。


朱音 やったね♡

アタシも休みが取れたよ。


朱音が刹那に相談をした事は、身ごもった事を理由に朱音の実家へ一度、帰省したい。

とゆう内容だったのだ。


そして二人は休みを取れた日、刹那の運転をする車に乗って朱音の実家を目指した。


朱音の実家は刹那が住む場所の隣県にある。


山を2つ超えた海沿いにあった。


実家へ到着すると朱音の両親は二人を温かく迎えてくれた。


これが、朱音の話していた、やりたい事の1つだった。

そして、朱音の実家で1晩を過ごし2日目、朱音は刹那に身を寄せながら話した。


朱音 刹那くん、運転ありがとう♡

あとで、ちょっと行きたい所があるからさ、一緒に行こう♡


刹那 うん。朱音ちゃんの両親も良い人達だね。

こうゆう田舎はさ、本当ゆっくり出来て落ち着くよ。


朱音 でしょ?♡でも、たまに帰るから良いんだよ。きっと


刹那 で、行きたい所ってどこ?車で行くの?


朱音 うん♡場所は案内する♡


次の日の15時くらいの日が傾きはじめている頃、朱音と刹那は朱音の案内する場所へ行った。


そこは海が見える丘の上だった。


しばらくすると海岸線から真っ赤な夕日が落ちてきた。


朱音 これよ、これ♡


刹那 凄い!綺麗~


朱音 アタシの名前、これなんだって♡アタシが生まれた日もこうだったみたい♡

だからさ、刹那くんに見せたかったの♡この子も一緒に


刹那 そうなんだ。良いね♪俺なんか、聞き間違いなんだから笑


その時、ドンドン!ドンドン!とゆう音が響いてきた。


祖母 ・・・この感じ・・・刹那!来るよ!・・・


刹那 ・・・分かってる!・・・


その時、キーーーンと耳鳴りが二人を襲った。


刹那 朱音ちゃん、車の中に、逃げて!


朱音 で、でも、


刹那 良いから、早く!


そして、耳鳴りが猫の鳴き声へと変わると夕日が見える海の方から少しづつ、あの赤い着物の老婆が近づいてきた。


ポチがいち早く、牙を剥き出しにして、刹那と朱音の前に立ちはだかると唸り声をあげた。


その姿はようやく朱音にも見えた!


朱音 い、いや、い、いや。あ、あれ、


朱音は尻餅をつきながらお腹を必死に守り、その場で動けなくなってしまった。


刹那 ばぁちゃん、朱音ちゃんを頼む!


祖母 既に結界は出来てるよ

しかし、あれは何なんだろうねー!


祖母が放つ青いオーラが二人を包んだ。


・・・ホ・・・シ・・・イ・・・シ・・・ホ・・・


不気味な声が木霊してきた。


刹那 欲しい?お前、何なんだよ?


老婆の口が徐々に開いていく。

真っ黒な煙が下へ垂れ下がっていき、刹那に向けられた。


それを祖母が結界で守った。


刹那 話す余地は、なしかよ!

悟ル、アイツの記憶は読めるか?


悟ル 兄ちゃん、ダメ!数が凄いの!

悟ルが読みとった物を刹那に送った。


そこにはおびただしい量の負の感情が入り乱れていた。


そして、老婆がニタッ!と笑うと次は朱音の方へ飛んできた。


刹那は朱音をかばうように前に立ちはだかると ポチ!と命じた。


ポチが走り出し、老婆に噛みついた!


老婆の足が黒い煙となり消えると足からは色々な人の顔が出てきた。


優香 あれは!まさか!S子様じゃない!


優香が少しキレ気味に顔をしかめた。


そして、優香が呪縛をかけると老婆の動きが止まった。


ポチが、遠吠えをあげると、老婆の赤い着物は、1枚ずつ解けていき、脱げた着物からも何人もの顔が出てきた。


祖母 分かったぞ!あやつ、悪霊の集合霊よ!

どこかに主体がいるはずよ!














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