その男、シャーマン

Mint

第1話 目覚め

1980年の寒い2月に、その男は生まれた。


名前を刹那と名付けられた。フルネームは、冴島刹那。現在は40歳の普通のサラリーマンである。


そんな刹那が生まれたのは東京都。


家族には2つ下の妹がいた。


刹那が4歳になると更に母のお腹には弟が出来た。

顔も身体も写真で分かるくらいだ。

母は良く刹那にほら、この子がお腹にいるのよ。と写真を見せてくれた。


そんな弟は産まれる予定の1ヶ月前に母のお腹の中で死亡した。

理由は、母自身が風疹とゆう流行り病にかかってしまったからだ。


実は弟は死亡する1ヶ月前に刹那に会いに来ていたのであった。


その日、刹那が夜中の2時にトイレに目覚めると母の部屋から、ウーウー!と言う、うめき声が聞こえた。

当時4歳の刹那は怖くなり、一人で勇気を出してトイレに行った。

そして、トイレのドアを閉める時、頭上から少年が降りてきたのだ。年齢は刹那と同じ4歳くらい。

当然、刹那は怖くなり、ウワー!と叫びながら、布団をかぶった。その後、辺りを見回したが、誰もいなかった為、そのまま寝た。

それから、同じような事は1ヶ月間、続いた。

そして、母が救急車で病院に運ばれた当日、家に帰宅してきたのは父だけであった。


それから、父は仕事終わりに母のお見舞いに行くようになった為、刹那と妹の由紀は、二人で家に過ごす事が増えた。


しかし、刹那の目にはもう一人、子供が家にいるのが見えていた。


そんな事があって、2年後、刹那が6歳の時、弟は刹那の中に入ったのだ。


それから、弟は刹那の頭の中で話しかけてくるようになった。


お兄ちゃん、学校って楽しいね♪


こうして、刹那の最初の持ち霊には弟が、なったのだ。

この時は刹那にシャーマンの力があるとは誰も知らなかった。


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