(二)-16
それを見て彼女はその中年に向けて胸元で小さく手を振り、ヒールの音を鳴らして車に駆け寄った。
男が拳に親指を上げた手で助手席を指差した。彼女はそれに従って車の助手席側に周り、車が来ないことを確認してドアを開けて乗り込んだ。
車はすぐにエンジン音を立てて勢いよく走り去っていった。
僕はただその場で車のテールランプが見えなくなるまでその場で突っ立っていた。
あの男は一体誰だったのだろうか。
授業の前に本部キャンパスのベンチに座っていると、同じ講義を取っている友人の竹橋直人がやってきて隣に座った。
いくつか雑談した後、僕は彼女のことについて尋ねてみた。
(続く)
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