(二)-5
今回の場合、もちろん前者の、より一般的な意味のことであるのだろう。
だから僕はそれについて聞いてみたのであった。
「そうじゃなくて、私はあなたと彼氏彼女の関係になりたいの」
すかさず彼女はそう返事した。後者の意味だった。人生戦略的な意味だった! 嘘だろ? 本当なのか? それにしてもなんで?
そうか、それだ、理由、理由を聞かなくては。次に聞くのは理由だ!
「どうして僕なの? 理由があるの?」
「いいから私と付き合いなさい」
彼女は顔を少しうつむき加減にしながら、目線だけを僕の方に投げてきた。
その姿が上目遣いっぽくって、かわいかった。
「いいでしょ」
そう念押しする彼女に、僕はうっかり「うん」と答えてしまった。
「じゃあ決まりね」
そう言うと、彼女は皿に少し残っていたペペロンチーノを口に運んだ。
(続く)
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