(二)-3

 これはもしかして「私が付き合ってやるんだから感謝しなさいよね!」的なツンデレ・シチュエーションか! キタコレヒャッハー!と一瞬思ったが、そういうのはせいぜい二次元止まりの話だというのは自分でもよくわかっていた。そんな架空と現実の区別がつかないのは高齢の政治家くらいなものであって、二次元専門のOTKを自認している僕にだってその区別はわかる。しかも彼女のそのセリフが現実で行われている非現実なことだというのもわかった。きっとからかわれているか、そうでなければ空耳、もしくは聞き間違いのいずれかだろう。それとも昨日深夜三時まで夜更かししながらラノベを読んでいて、今朝寝不足の状態で起きたことが原因に違いない。即ち、それは幻聴なのだ。なにも大声を上げながら立ち上がる必要もない、そう、ただの間違いなのだ。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る