第4話 ねこねこねこねこ



 その男は、猫嫌いだった。


 子供の頃、なでようとして近づいた時、野良猫に手をひっかかれた時から嫌いになった。


 それからもたびたび、なぜかことあるごとに猫に攻撃された。


 そんな過去があったから、猫は嫌いだった。


 しかも最近うまくいっていない事が多い。


 その中で、のんびり生きている猫をみかけると、イライラしてしまうのだ。


 だから、猫を痛めつける事にした。


 はじめは、それだけですかっとしたが、次第にそれだは物足らなくなった。


 そのため、この地域から猫を一掃しようと企んでいた。


 様々なところに、罠をつくって、毒入りの餌なども置くことにした。


 その努力のかいもあって、地域から猫はいなくなった。


 しかし、なぜか急に同じような猫が増え始めた。


 それは最初に暴力をふるった猫と同じ猫だった。


 一体、なぜ。


 おそろしくなった男性は、家を出られなくなった。


 そして、ずっと一日中家にこもるようになった。


 それなのに、猫の鳴き声が近くから響いてくる。


 家の外からではない。


 家の中からだった。


 男は、ゆっくりとその声の元を確かめた。


 そこには……。


「「「「きしゃぁぁぁぁ」」」」


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