暗殺者は今日も笑わない
@toiton
第1話 葉狩 凪という男
時代は西暦2040年。その30年前、世界では冷戦の名残からかロシアとアメリカが対立し、にらみ合う状態が続いていたが、アメリカ勢力であるポーランドにロシアが進行しポーランドが応戦して世界各国を巻き込みながら第三次世界大戦が起ころうとしていた。
世界各国の人々は戦争が核戦争になるのを恐れていた。なぜなら、ロシアの核兵器保有量位は世界一位、そしてアメリカは世界三位そんな国同士が核戦争になると世界が滅亡する可能性があるのだ。
そのため、それを危惧した世界各国の幹部たちが世界を守るため、ある機関を設置した。ブォルム呼とばれる機関だ。
ブォルムは、すなわち六感と呼ばれる視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触角、心覚のか六人からなる機関である。ブォルムはどんな汚い手段を使っても世界の守護を果たすことに要点を置いている。
そのため、30年前には、ロシアの核兵器開発責任者であるソコロフ・モロゾフをブォルムの触角である葉狩稔が暗殺し、匿名で、「これ以上続けるならさらなる制裁を加える」という警鐘をロシアの上層部に鳴らし、第三次世界大戦を未然に防いだとして知られている。
しかし今はブォルムを創立したメンバーもほとんどがなくなっており、その存在が都市伝説扱いである。しかし今でもブォルムのメンバーであった者たちの子供たちが技術を引き継ぎセンスを立ち上げ活動を行っている。
ブォルムに所属しているメンバーは世界各地に散らばっている。
ブォルムは二年に一度だけ、活動報告と今後の活動方針を話し合うために集まる。
集まるといっても本拠地とかはなく、六人を順番に回して、開催時に、順番になった人がいる国の首都に集まるという決まりがある。
そのブォルムの中に、葉狩凪という男がいる。その男は今はもう死んでいる世界最強の暗殺者、葉狩稔の息子であり、その技術を受け継いだ二世代目の暗殺者であり、ブォルムの触角を担っている。子供のころから厳しい教育を受けてきたためは感情が欠落している。
凪は日本の高校に通っている普通の高校生をしている。
現在世界では再び軍事的な緊張が走っている。そのため日本も軍事力を蓄えるようになった。
そんなことをしたため、日本各地で、デモが起こったが日本政府は半ば強引に軍事力を蓄えた。
今日も凪は事件が起こるとは知らず、学校に行くのであった。
「続いてのニュースです。日本時間の15時ごろ、ロシア国内で水素爆弾の核実験が行われました。ロシアによる核実験は今月に入って3回目です。」
「最近こんな話よく聞くな」と思いながら、学校に行く準備を早めに済ませる。
学校は八時までに行かなければいけないが、今の時刻は七時四十五分。ここから学校まで十分ほどかかるので急いでしたくしないといけない。
「そういえば、最近ゆっくりできていないな」と思いながらしたくを終えたので急いで家を出る。
学校まで走っている途中、携帯のメールが鳴ったが無視して学校まで走った。
学校に着いたのは七時五十五分だった。まぁなかなか良い時間に着くことができた。
教室に入ると朝のホームルームが始まっていた。
「葉狩遅刻だぞ」
教室に入るや否や担任の先生の起こった声が耳に飛び込んできた。
間に合っていたはずだと自分の腕時計を見ると針は七時五十六分を指していたが教室の時計は八時一分を指していた。
「遅れていたのか」、「しまったなぁ」と思いながら自分の席についた。
俺の席は一番後ろの窓側だ。
席に着いてすぐ担任から「今日、川井は休みか」という声が聞こえてきた。
川井結、成績は学年トップ、しかもある軍事会社のお嬢様で友達も多くいる。いわゆる頭のいい陽キャだ。
そんな彼女が休むなんて珍しい。なんて考えながらいると、強い日差しが顔に照りつけてきた。
後ろの席はなかなかに日差しを受けて暑くなるのでカーテンを閉めようとしたら、学校の向かいの路地裏に入っていく三人くらいの人影が見えた。
よく目を凝らして見てみると、チャライ男二人が制服を着た女子連れ込んでいるところだった。あれはあきらかに誘拐のたぐいのものだと一目でわかった。
しかも女子が着ている制服はうちの制服だ。
「このままではまずいな」と思い担任の先生に「トイレ行ってきます!!」と叫んで急いで路地に向かった。
そこにはうちの制服を着た女子生徒と誘拐しようとしている男二人がいた。
女子生徒は完全に縛られていていまにも連れてかれかねない状態だった。
「誰か来たぞ!早く行くぞ!」
そう言って、男たちは女子生徒を担いで逃走しようとしていた。
「やむを得ないな」
俺は逃走しようとしている男二人に向かって走った。人一人を担いでの逃走は無理だと悟ったのか、男たちは雑に女子生徒を投げた。
そして男二人は振り返って戦闘のポーズを構えてきた。
男の体系は、両方とも体重80kgほどありそうな体系をしていた。
俺の体重の約二倍だ。そんな相手に普通勝てるわけもないのだが、俺は何のためらいもなく男たちに突っ込んでいった。
男たちは二人同時に俺の顔をめがけてストレートを打ち込んできた。
俺は男たちのこぶしに当たる直前に急速に屈んだ。
男たちは驚いたのか「なにっ!?」と叫んでいたが、聞き流して男たちの鳩尾に一発ずつ強めのパンチを入れると男たちは「ゲホっゲホっ」とかなり効いたのか怯んでいる。そのすきに、二人の首元に素早く手刀を放った。
「かはっ」
男たちは何が起こったかわからないような顔をしていたが、すぐに白目をむいて気絶して地面に転がっている。
とてもあっけなかった。
俺は見つかるとまずいので、警察に通報して、急いで学校に戻ろうとしていると大事なことに気付いた。 女子生徒がいない。
連れ去られたにしては、まったく気配や足音がなかった。だいぶ訓練してきた手練だろう。足音はともかく、気配は消すのは難しい。
これはただの誘拐事件ではないなと思い俺は路地から出てあたりを探すと黒いワンボックスカーが通り過ぎていくのが見えた。
そのワンボックスカーの後ろに、剣をクロスにして十字架を作ったエンブレムのステッカーが貼られていた。どこかで見たような気が。
追いつくことはできないとわかっていながら、一応ワンボックスカーを追いかけていると一本の電話が鳴った。それどころではないので、電話を切った。するとすぐにもう一回かかってきた。出ないわけにもいかないので「誰だよこんな時に」と思いながら俺は通話ボタンを押し電話に出た。
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