第21話
「テメェ……!」
殆どの荷物を
「また、非道な事をしてたのか?!」
どうやら、
「……商品を置きに来ただけだよ」
ジャックは面倒そうに答える。嘘は言っていない。正体が
ナナセを無視して、ジャックは門扉に商品を並べる。……そういえば、この男は何故
「……おい、お前の持っているそれは」
「…………あ」
さっき殺した女の首の入った袋だ。透明な袋と液体を透かして、中身がしっかり見えていたようだ。商人に高く買い取ってもらう為の透明な袋が仇になってしまったらしい。
「よくも……!」
見事に逆上したナナセが背中の大剣を抜き、此方に迫る。
「おっと、」
「避けるんじゃねぇ!卑怯者!」
何処が卑怯者だったのだろうか。ジャックは少してきとうに思考を飛ばして考える。避けた事か。それとも人身売買の事か。多分『悪い奴』だから、そう呼んだに違いない。
「一体どんな思考をしていたら、こんな酷いことができんだ!?」
到底理解が出来ない、と熱く叫ぶ彼には申し訳無いが、
「……
ジャックは呟いた(本気で申し訳ないとは思っていない)。
一応、僅かなりとも居る可能性を考え、断言はしないでおいた。因みに、ジャックの知り合いは全員頭がおかしいのでジャックの知り合いには一切居ない。
「……ちょっと聞くけど、君は何で此処に居るのかな」
「テメェの質問に答える義理は無ぇ!」
ナナセは力強く返答する。そう言うと思っていた、とジャックはまだ昼間である事実と見合わぬ疲労に、頭を抱えた。
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