異世界に転生したら発明家の助手をすることになった件

バナナキング

第1話 発明家ドン・モルガァーモ!?

 「今思えば小さな頃僕も発明家に憧れていたな」



ぼーーと、過去を振り返る。



「けど、何でこうなるんですか!」



結城が怒気した先ではある男性ががむしゃらに身体を動かし絡まったコードをほどこうとしていた。



「ぐぬぬぬぅぅ。このいまいましい電子コードめ!私を誰だと思っている!私はこの世界で一番賢い大発明家ドン・モルガァーモだぞ!!」



「博士、その台詞は聞き飽きましたよ。 あっ、この前頼まれていた材料ここに置いておきますね」



 結城は腕に抱えた茶色の紙袋を玄関近くの机に置いた。



「おお、結城ありがとうな。あと少しでこれがほどけそうだ。くっ、こことここをこうして」



結城は呆れて机に立て掛けておいた箒を持って掃除し始めた。



「博士またですか?だからこの前も電子コードは引っ掛かると危ないから床に固定しておいてくださいって言いましたよね?」



博士は不興な様子で電子コードと抗いながら話す。



「だから、ちょうどお前が帰って来るまでにコードを床に固定しようとしていた所だ。 そしたらこの有り様だ!」



「いや! 何でそうなるんですか!?」



結城はますます呆れてものも言えなかった。箒ではわいたホコリが段々と部屋に舞ってきた。

結城は少し咳込みながら、窓に掛かったカーテンを開ける。



 開けた瞬間、目映い光が結城と薄暗い研究室を明るくする。

窓を開け外を覗くといつものように空には紅いドラゴンが飛行しており、国営郵便人の魔女が箒に股がり住宅街を飛んでいた。



 しかし、今日は珍しく国営監視警備ロボのプロネクターの姿が見られなかった。



 そもそも博士は昔この国ミニポリスで様々な発明を行い、国から文部国宝優秀賞を貰い英雄とされていたらしい。そしてプロネクター開発をしたのも博士らしい。



だけど、ある時から魔法がこのミニポリスに伝わりだし、人々の暮らしが便利となって博士の発明が次第に不必要となっていき、博士の知名度が下がったらしい。


が、その後僕がここに流れ着き博士と出逢って博士の人生が動きだした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界に転生したら発明家の助手をすることになった件 バナナキング @Mysteryman

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ