道化◯ワラう

破竹

第1話

あるところに道化たちがいた。


「いつかデッカいところで沢山の人を笑わせたいな!」


「おうとも!有名なあの道化のようになって、毎日美味いものを食べるのさ!」


「冗句一つが流行りになり、歩けば笑いが追ってくる」


「そうなりたいね!そうなるために頑張ろうね!!」


道化たちは毎日毎日努力した。お互いを褒め合い、時にはダメなところを指摘し合い。道化たちは毎日が楽しかった。


「俺たちもそこそこ面白くなったんじゃないか?」


「おうとも!毎日お互いを高め合ってるからな!」


「お互いの性格や、本質を理解する。大事ですね」


「みんなに見てもらえて、教えてもらえて、僕すごく勉強になるよ!それにとても楽しい!」


道化たちはそうやって何日も何日も過ごした。お互いを理解し合い、道化とは何かを追い求めた。


「お前、俺たちの中じゃ一番面白いな」


「おうとも!有名なあの道化にも引けを取らねえ!」


「そろそろ人前でやってみてもいいかもしれませんねぇ」


「大丈夫かな?上手くやれるかな?」


道化たちは街の片隅に降り立つ。


「道行く皆さん。お時間あれば一興いかがか?世に道化多くあれど、ここにおりますは新進気鋭の・・・ああ、ちょっとちょっと。そこは空けておいてもらえますか?その真正面の特等席は、僕の仲間が座るので…道化の道どころか、僕のこと全てを知り尽くした方々なんです。だから毎回特等席にはその方々にいて欲しいんです。だからそこは空けといて傍でみて下さい。そうそう。あー…あー…改めまして!……」


道化は今日も戯けている。起こる笑いに、咲く拍手。道化は今日も幸せだ。


『さぁさ皆様、ここらで幕引き。曖昧語りと云ふなかれ。感じたままが、そう!結末!!道化とはなんぞや?読んで字の如し。あなたの行く道に出る化け物なれば…さて、道化○ワラいましたか?道化○ワラいましたか?まぁ、どちらでもよいのですが…それでは…またのご来場を』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

道化◯ワラう 破竹 @hachiku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る