指名手配犯「柚月剣」

興梠司

第1話 あやまち

僕は3年前渋谷で人を殺めた。好きだった女性、みちると喧嘩になり勢いを余って殺してしまった。みちるのことは愛していたのに、みちるを殺めたのを家族にバレしまし、みちるの父親と母親の殺害も図ろうしたが殺せたのは父親だけだった、母親は意識不明で病院に運ばれ母親は意識を取り戻し、犯人が誰かを警察の方に情報提供してしまい、みちる殺人の犯人が柚月だと言うのがバレてしまった。


柚月の家には事情聴取に何回も訪れたが居留守を使った、柚月が捕まるわけにはいかない、捕まったら死刑は確定している、柚月はまだやることが残っているのでここで死刑になるわけにはいかないのだ。


柚月は家にあったお金を全て財布に入れ歩いて大阪へ向かった、西成に行けばなんとなると思っていた、西成ならニセパスポートなどもあるだろうし、整形くらいなら簡単に見つかるだろう思っていた。


大阪までは四日間かかった、警察に職質を受けることもなく西成までたどり着けた。

西成公園に住みつく、コウさん何でも扱っていると有名で柚月も東京に行く前に何度かコウさんにお世話になっていた。


コウさんの家はブルーシートとピンクのシート出来ていた。誰も拳銃などを扱うホームレスだとは思わない。柚月が入口の前にたつと「柚月か、入れ」と言われテントの中に入った。コウさんの家は広く、テレビが一台と寝具が一つ置いてあるだけだった。コウさんはいつでも逃げれるように物はほぼ持たない人だった。


「柚月やったのか」「では報告しに行くぞ」

とコウさんに言われ柚月は大きく頷いた。

コウさんは近くのバックからスーツをだし、コウさんはスーツに着替え

コウさんと柚月は大阪駅前の25建ての最上階へ向かった。


コウさんは裏社会で有名なホームレスでお抱えのドライバーを持っている、裏社会ではコウさんであれば大阪の一等地何個でも買えるくらい簡単だと言われていたが西成公園で生活をしている。襲おうと思えば簡単なのだがコウさんを襲うなどという怖いものなしはいなかった。


柚月とコウさんが向かった先は大手のIT会社だった。IT会社は表向きで大阪では知らない人のヤクザ組織であった。コウさんと柚月の顔を見て従業員は頭を下げ、社長室まで案内してくれた。


柚月たちは座り秘書が出してくれたオレンジジュースを飲んでいると、社長の高橋が社長室に入ってきたが二人が立って挨拶することは無かった。この二人が挨拶することは稀だった。総理大臣が目の前に来てもこの二人は挨拶することはないだろう。

「ご苦労だった、柚月」

「柚月にしては時間がかかったな」と嫌味を言われ頭を下げた。


3年前の大阪高橋から司令をもらった、東京にある斎藤家を壊滅してほしいと、斎藤家はヤクザでもなんでもなくただの一般家庭だったが高橋の目にはなにかがあった。

柚月は東京に行き作戦を遂行しようとするが、柚月はみちるに恋をしてしまった。3年後の先月、しびれを切らした高橋から「そろそろ決着をつけろ」と言われ事件を起こした。


高橋の話によると、みちるの父は一般会社を偽り覚醒剤を捌き大阪にまで流していた、組同士の話では大阪の覚醒剤はいじらないという話になっていたがみちるの父は大阪の覚醒剤をいじって生計を立てていた。もちろんみちるもそんなことは知らなかった。


みちるに話を探ったこともあるがみちるは「そんなことないよ」とみちるは言う。みちるに逃げろという話も何回かあったがみちるは「お父さんといる」といい逃げることは無かった。


みちるを殺すのは柚月はいやだった、だが仕事を遂行しないとコウさんから殺されてしまうので、自分が殺されることは許せなかった。

柚月には子供がいる、高橋に子供と嫁が人質取られている以上ミッションに失敗は許されなかった。


「柚月早速だがミッションだ」

「またかよっ」と舌打ちをするとコウが柚月も太ももをつねった。

高橋のミッションは絶対だった。


二人はビルを後にし、ルノアールに入った。

「もう、誰か殺さなきゃいけないのかよ」

とコーヒーをすする。


「あの人が言うのは絶対」


柚月は高橋からもらった封筒から中身を出すと一枚の写真が出ていた。

柚月にも見覚えがある顔だった。

コウの息子の准司だ、柚月はコウの顔を見るが

「ミッションだ」というだけ言い喫茶店を後にした。

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