第10話  【BLACK EDGE 其の10 犠牲】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第10話

 【BLACK EDGE 其の10 犠牲】




 フェアは両親に捨てられて、孤児院で育った。施設の職員は優しく、フェアはそこで育った。




 しかし、ある時、変わった集団が来た。彼らは孤児院の子供たちに検査を行った。




 詳しい内容はわからない。しかし、健康診断と言い、フェア達に様々な検査を行った。それから数日後、フェアを引き取りたいと言ってきた。




 孤児院の職員達は話し合った後、フェアを引き取ってもらうことにした。




 その時はまだ分からなかった。これからどんなことが起こるのか。




 引き取られたフェアはある施設に送られた。それは強固なセキュリティで守られた、鉄壁の施設。




 そこにはフェアと同じように多くの施設から連れてこられた子供達がいた。同じ境遇の子もここでも出会うことができたフェアは嬉しかった。




 そしてそこで友達もできた。フェアはそんな鉄壁の施設でしばらく暮らすことになる。




 だが、平和な時間は長く続かなかった。




 ある日、フェア達に実験が行われた。今までは検査だけだったのだが、その日は初めての実験だった。




 フェア達は大人達に連れられて、実験室に向かう。すると、先に実験室に行った子の悲鳴が聞こえた。




 フェア達は怯える。しかし、それでも大人達はフェア達を連れて行く。




 次々と子供達は実験室へと連れて行かれる。そしてフェアの番が来る。




 フェアが実験室に入ると、そこには血だらけの机と床。そして血を浴びた作業員がいた。




「なに、これ」




 そしてフェアは見てしまった。奥の部屋で乱雑に置かれた子供達の死体。その中にはフェアの友達もいた。




 フェアは逃げようとする。しかし、大人達に捕まり、逃げることができない。




 フェアは机に寝させられると、






 そこから先の記憶はない。しばらくすると見たことない部屋のベッドで寝ていた。

 そのあと、起きたことが伝わったのか、人が歩いてきた。




 そして扉を開けて入ってくる。




 それは黄色のフードを被った仮面の男。




 黄色フードの男は黒いフードに仮面を被ったものたちを数人連れてやってきた。そしてフェアに言う。




「おめでとう。君は適合者だ」




 それからフェアに宿った力の説明を受けた。




 フェアに与えられたのは白龍の力。




 そして、フェアの力は多くの犠牲の上に宿ったことを教えられた。




 強力な力には犠牲が必要だ。そう言って笑った。だが、フェアはそれに納得できなかった。




 しかし、黄色フードは言う。




「消えたものは元には戻らない。なら、得たものは何をすべきだと思う?」





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