第4回「エイル&クロノヒョウコラボ企画!」 クロノヒョウ 様

タイトル 分かりにくい物理学の授業〜神の理論を知りたい〜


「博士、そんなに悩んでも、うまく行きませんよ?お散歩日和ですし、気分転換とかどうです?」

 

「そうだな。散歩でもしながら、語れば頭が整理されて見落としを見つけられるかもしれんな」

 

 この人は研究バカだなと思いつつお散歩しながら、ありがたい講義を受けましょう。

 

「相対性理論と量子論を統合が成功すれば人類の世界への理解は次のステージへと上がるだろう。最終的に万物の過去と未来を正確に計算し全てを知ることが出来る。そうこの世の果てどころか、宇宙の全てをそれこそ全知の存在へと人類を導く、神の理論へと近寄れるのだ。

 

 単純に合わせることはできる。それはまるで偽物の仮面をつけてお見合い結婚した夫婦かのように2つの理論は統合出来たに見える。しかしそんな夫婦はすぐに離婚する。つまり計算不能となる。


 なぜか物質の極限の最小単位を扱う量子論と、そこに働くはずの重力を扱う相対性理論がくっつかないのだ。


 これはありえない。そう根本的な何かを見つけていないのではないか?


 ラーメンのスープも麺も具も全てのレシピを理解したとしてだ。それでも根本的な前提がある。そう食器だよ。


 なぜか計算不能になるのは、ラーメンから丼ぶりを除いたようだった。結果はぶちまけられて、どんなに上手く調理しても食べられないようではないかね?」


「博士の研究も何か根本的な事を見落としていると?」


「そもそも人類は知らない事の方が多い。ブラックホールどころか、人類は地球の地下12キロしか掘ったことがない。地球の直径は約1万3千キロ近くあるのにだ。これほど無知な人類はまだラーメンの中に存在していて、ラーメンの丼ぶりを観測も想像も出来ないほどちっぽけな存在かもしれん」


「博士、言い回しが独特過ぎて分かりやすいのか、分かりにくいのかも分かりません」


「神の理論には、人類はまだまだ遠いということだ。暗黒物質と暗黒エネルギーは直前観測すらされていない。これらが宇宙の大半を占めているのにだ」


「へぇ~それで少しはアイディア出ました?」


「出たら苦労はしないがそれが面白いのだ」


「ところでスパコンでその問題解けないのですか?」


「計算は出来ても、式はスパコンには作れんよ観測し結果から理論を構築し数式にする。これが出来ない」


「はぁ。それで博士はどうするので?」


「もちろん悩みに悩んでどうにか矛盾しない理論を構築し数式にする」


「頑張って下さい」


 博士はまた思考実験の世界へと意識を沈めたのだった。

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