第25回「2000文字以内でお題に挑戦!」企画 クロノヒョウ 様

 月の欠片を拾った夜になった。なぜ分かるのか?そりゃ月の欠片って石に書いてある。

 

「この月の欠片って本物だよな?」

 

 付き合って3年の彼女に質問してみる。

 

「偽物でしょ?書いてある時点で偽物だって、これからのすっごく当たる占いに行くし聞いてみる?」

 

 彼女は占いが好きで、今日は良く当たると評判の占い師に予約したあるのだ。

 

「そうだな、当たるなら真贋くらい分かるか」

 

 なんかオシャレなまさに占い!!って感じの建物ないの1室で占って貰った。未来は別として過去は完璧に当たった。

 

「それゴミって言われたじゃん捨てなよ」

 

「うーん、なら大学の教授に分析の試料って渡そうか」

 

 そして教授が分析したら月の欠片と結果が俺に丁重に届けられた。

 

「なぁ、45億1000万年前の石なんだってそれで月は45億1000万年前に出来たらしい」

 

「ウソッ!?本当に月の欠片なの!?」

 

「それ以上は分野が違うから分からないらしいよ」

 

「そっかぁ。占いはゴミだけど45億年前の物・・・そうだ!!月から来たなら隕石鑑定士に見てもらうよ!!隕石占いでいい人知ってるの」

 

 彼女の提案で月の欠片なら宇宙を旅して地球に来たのだから、隕石に違いないということで隕石鑑定士の所へ持っていた。

 

 暫くして、月の欠片と書かれた石と鑑定書が送られてきた。

 

「開けてみるな」

 

 俺的には本物だと思ってる。

 

「ドキドキするね」

 

 隕石鑑定書を開封してみる。

 

 鑑定書

 これは隕石ではない。ただのよくある石であると証明する。

 

「あれ?偽物かぁ」

 

「占いだとゴミで45億年前のものなのに隕石じゃない、そして月の欠片って書いてある何これ?」

 

 そこで俺は考えた。

 

「月の欠片ならさ、月の専門家に見てもらおうぜ」

 

「誰?思いつかないけど?」

 

「天文学者さ。山の天文台で見てもらおうぜ」

 

 後日、どうやら天文学者さんは45億年という分析結果からJAXAに送って調べたらしく、結果が届けられた。

 

「これで確定するだろ?」

 

「そうね。日本の宇宙の専門家だものね」

 

 結果通知

 石の組成と45億年前にという年代は月の欠片の可能を強く示唆しています。ですが地球に、持ち帰られた資料は厳密に管理保管されております。そのためサンプルリターンのものではなく、また隕石と特徴もないことから、地球上のものではないと推測いたしますが、月の欠片と断定すべき証拠もありません。ですが、文字は書かれたものではなく模様であり、たまたまであることが確認されました。結論としては月の欠片に限りなく近いなにかと判別いたします。

 

「微妙だな」

 

「なんなのこの石?あっ!!パワーストーン鑑定士なら分かるかもね」

 

 鉱物の専門家に鑑定を頼む事にして俺達は会いに行ったのだった。

 

「なぁ、完全に石ころって言われたな」

 

「うん、なんのパワーもなくてクズって言ってたね」

 

「本当に謎だな」

 

「月の欠片って書いてあるけど、占いではゴミでも分析すると45億年前なんだけど隕石じゃなくてよくある石で、月の石に良く似てるのにパワーはないクズなんだよね?」

 

「よし、こうなったらNASAに送ろう。世界一の宇宙機関だ」

 

 そして忘れた頃にNASAから、月の欠片と大量の書類とデータが届いた。

 

 英語なので要約すると、99%くらいの確率で月の欠片だけど、1%くらいの確率で偽物。

 

「これは、本物だ」

 

 俺はそう思う。

 

「えっ?偽物でしょ?」

 

 彼女は偽物と思うらしい。さて読者の皆様はどちらだと思いますか?

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