野菜【準也からのチャレンジ】 トマト準也 様
野菜とはなんだろう?
食べられる植物の総称だろうか?果物や海藻も植物だ。
詳しい農林水産省の定義は一年草で、木にならず枯れて食べられる植物だ。メロンやスイカも野菜となる。
ならばである。野菜軍団長にふさわしいのはどの野菜だろうか?
栄養価ならケール、モロヘイヤ、ブロッコリー、などなど候補が存在する。
というか一年草で食べらるのならまぁ、稲科つまり米も麦もトウモロコシも野菜である。
トウモロコシだけで10億トンも生産量がある。世界一の食べ物だ。
穀物では?そう思うだろう。ならばじゃがいもだ。これも生産量なら3億トンと世界一の野菜だろう。
芋は炭水化物で別だ?ふむ、ならば世界一の生産量を誇るトマトはどうだ?ナス科で栄養価も高いぞ?ケチャップやソースにもなるし強いだろう。
そして当然ながら揉める。そう軍団長を決める熾烈な争いが繰り広げられていた。
「軍団長にふさわしいのはやはり、味は最高の我がメロンだろう?知名度も抜群だ」
メロンは瓜科でキュウリやかぼちゃ、ズッキーニ、スイカも所属している。
「私、スイカも良くないか?サバンナとかでは水分補給にもなるよ?」
西瓜もウリ科なのでメロンにちょっとチャレンジする。
「やっぱりウリ科で統一して押すならメロンでしょ?」
キュウリはメロン押しらしい。
「ハロウィンの主役かぼちゃもだめか?」
南瓜がイベントで押してくる。
「キリスト教のイベントだけだろ?黙ってろ」
世界ではキリスト教以外も多い。メロンの指摘に黙るかぼちゃであった。こうしてメロンはウリ科から軍団長に推薦された。
その頃米と小麦とトウモロコシは内輪揉めをしている。穀物であり、イネ科なのだ。
「世界生産1位トウモロコシこそ軍団長にふさわしい!!」
トウモロコシは圧倒的な生産量で押しまくる。
「黙れボケ。トウモロコシは大半家畜に食われて肉になっとるやろ。世界の主食の小麦以外に何がある?」
トウモロコシの痛いところをつく小麦である。
「イネ科やぞ?稲である米が代表だろう?土地面積あたりの生産量も連作障害への強さも米が良かろう?」
「アジアでしか食われん奴は黙っとれ!!」
トウモロコシが米にマウントを取る。
「そこらの野菜など一桁も二桁も少ない生産量なのだ。我らが頂上決戦、全員軍団長に立候補し決めさせれば良かろう?」
イネ科はまとまりが悪いらしい。
ところ変わってイモ類も話し合いをしている。
「じゃがいもが一番だろ?」
「じゃがいもってナス科だ。トマトにナス科は決まっている」
トマトが横槍を入れる。
「待て待て、根を食う炭水化物とトマトは違うだろ?」
イモ類からじゃがいもを引き抜かれたくない里芋がトマトを追い返そうとする。
「そうだそうだ!!土の上を食われる奴は帰れ」
「こんにゃく芋とかマイナーすぎるんだよ。多年草はだまれ」
「何だとー!!歴史の浅いトマトのくせに帰れ!!」
「ナス科なんだからナスに決まっているだろ?勝手に決めるな!!」
ここで代表作物のナスも乱入してくる。
「世界一食われとる野菜はトマトなんだぞ」
「ピーマンを忘れるな!!」「苦くて不人気だろうが」「唐辛子もナス科だぞ」「唐辛子はスパイスなの!!野菜違う!!」「パプリカもナス科だけど?」「だからトマトが一番だろ微妙にマイナーなんだよ」「ナス科だしやっぱり茄子でしょ」「2回目!!他にネタはないのか!!うぜーぞ!!」
イモ類そっちのけでナス科達は揉め繰り回している。
「じゃがいもは軍団長になりたいじゃ言うとる!!」
キャッサバが止にはいる。ちなみにタピオカの原料である。
「誰?キャッサバって何なの?知らねー。マイナーを通り越して知名度無さすぎなんだよ」
「はぁ〜!タピオカなめんな!!こちとら流行りやぞ!!」
「流行すぎてるんだよ!!いつの時代の話しをしてるんだよ!!」
トマトはひたすら突っ込みに忙しい。
そんなバカな野菜達?を外から冷めて見ているのが、アブラナ科のキャベツ、ブロッコリー、白菜、小松菜、カブ、菜の花、大根、チンゲン菜、ケール、ワサビ、大半の野菜はアブラナ科である。
「早く軍団長を決めないと収穫されるよなぁ?」「んだんだ」「野菜って俺達だよなぁ」「そだそだ」「収穫っていつだべ?」「今日らしいなぁ」「おうおう」「間に合うのかぁ?」「無理だべ」「収穫用意してない?」「んだなぁ」「そろそろ大魔王来るなぁ」「んでどうする?」「内輪揉めを見守るしかないなぁ」
収穫作業の準備は着々と進んでいる。
今年も軍団長が決まることなく無事?に、収穫されたのだった。
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