【エイルの挑戦状】 エイル

 異世界に転移したが魔王が強すぎる。

 

 何度も勇者エイルのチートスキルである死に戻りを駆使して、魔王との戦いをやり直しているが勝てる気がしない。

 

 死に戻りとは、死ぬと少し前に戻りやり直せる能力だ。もっとも戻れるのは魔王と戦う直前に固定されている。

 

 だいたい大陸が吹き飛ぶ威力の隕石を当てても、完全物理無効によりノーダメージだし、異世界転移させるにも完全魔法無効で効果なし、もちろん攻撃魔法もノーダメージだ。

 

 完全状態異常無効で、デバフも毒も石化も変化も何もかも、そう封印さえも完全無効だ。オマケに超回復で細胞が一つでもあれば数秒で元に戻るらしい。そもそもかすり傷すら与えられないけどさ。

 

 対話しようにも見た目は、毒々しいでっかい恐竜で、食うか、殺るか、どちらしかないという知能もない生き物だ。

 

 しかし放置していては、世界中の生き物が食い尽くされてしまう。

 

 そこで勇者エイルのアイディアの出番だ。

 

 

「こうなれば最終手段、作者特権ガチャしかないだろ」

 

 勇者エイルで勝てないならエイルの作品から主人公補正受けたキャラを召喚すれば勝てるはずなんだ!!

 

勇者エイルのチートスキル!!ガチャイケぇ!!」

 

 ちっさくてショボいし短い召喚演出と【C】共に現れたのは、黒光りカサカサ悪魔が一匹だ。うん、登場匹数はおおいよな。だって大群だし。そりゃコモンだ。

 

「異世界ゴキブリじゃないか!!」

 

 ブチっと異世界ゴキブリを踏み潰すがここで気が付く。

 

「次に魔王に喰われるのエイルじゃん」

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 死に戻りしてガチャを引き直す。

 

「頼むでてこい!!ダンジョンマスター優姫ちゃん!!」

 

 ちょっと派手目な演出で【UC】共に現れたのは、優姫ちゃんを追いかけたオーク。

 

「あれ?アンコモン?これはレアじゃね?」

 

 ガチャ履歴を調べるとウルトラコモンになっている。

 

「ウルトラコモンってなに?とりあえず魔物だしハズレだ」

 

 なんかオークが魔物と共闘して襲って来たのでオークは脳天落としで頭を潰しておく。

 

「次やるしかないなぁ」

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 またまた死に戻りしてガチャる。

 

「こい!!エイルの考えた最強主人公!!」

 

 今度は金色に輝く演出が現れて【SSR】の文字が!!

 

「キターーー!!」

 

 【祝100♥️ ナニカコ企画 野林緑里 様】より【僕】

 

「主人公だけど!!そうじゃない!!なんで素人ファンタジー作家の作品からファンタジーじゃない作品の主人公なの!!一般人じゃん!!!!しゃーないエイルの好感度のために自害して死に戻りするか」

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 自害して死に戻り、またガチャを引く。

 

 ド派手に輝き無駄に無駄を重ねた長い演出が行われる。

 

「キターーー!!絶対に優姫ちゃんを引き当てた!!」

 

 【G】の文字が表示される。ん?嫌な予感がするぞ。ゴキブリか?

 

 【俺は悪くないのに何故か世界が何度も滅ぶのだけど、どうしたらいい】より【探求神】

 

「あかん、これはあかんやつや。サイコパス神とタンク魔王のバトルとか悪夢やん」

 

 思わず関西弁でツッコミを、入れてしまう。

 

『サイコパスとかひどいなぁ。探求神は優しいから勇者エイルが頑張ったからプレゼントだ』

 

 何も起こらない??まさかと空を見上げると、キレイな輪を持つ土星が日中なのに見える。

 

「やりやがった!!土星落としとかヤバすぎだって!!」

 

『違うそうじゃない。土星に異世界惑星が落ちてるから』

 

 土星の重力により惑星は粉々に砕け散り土星に落下したのだった。

 

『魔王が土星にも耐えてるしwwwwこれは探求するしかない遊ぶしかないじゃん。やり直そ』

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「あかん、これはあかんやつや。サイコパス神とタンク魔王のバトルとか悪夢やん」

 

 思わず関西弁でツッコミを、入れてしまう。

 

「げっ探求神にガチャ確定後に戻されてる!?」

 

『さてエイルはうるさくしたらまた土星に落とすとして、魔王の耐久実験するしかないでしょ。たぶんデバフは弾かれてもバフはイケると思うんですよね。バフで巨大化してみましょう』

 

 2倍の大きさになる毒々しい恐竜な魔王。

 

『おっイケるぞ。さぁてどこまで耐えられるかな?2倍、さらに2倍、まだ2倍めんどいから258倍!!あーーwwwwやっちまったなぁ。富士山よりでけぇwwwwwwでも4096倍、あっΣ(・∀・)大気圏よりデカくなっちまったwwwwww』

 

 魔王が動くと大地に大ダメージが入ってるけど魔王が死ぬ気配はない。

 

『wwwwwwあー、こりゃダメだ。デカく出来るなら小さくも出来るかな?よし、やり直そ』

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『長くなるしエイルセリフはカットな。小さくなれば回避しやすくなる、ほかの能力が下がらないようなバフなら通るだろ?』

 

 半分の大きさになる毒々しい魔王。

 

『イケるじゃん。どこまでイケる?半分、めんどいな適当にもう30回くらい半分にすっか、あっ、あーーー!!やりすぎてブラックホール化したな。やばwww惑星吸い込んだ、おっ太陽まで吸い込んだしwww魔王これでも死なないのか。やーべぇな面白いな。やり直そ』

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『逆に魔王を超強化したらオーバーフローして弱体化しないかな?攻撃力100兆倍!!』

 

 魔王が歩くために大地をけると惑星が砕け散り、魔王は反動で宇宙の彼方へ飛んでいった。

 

『wwwあーダメだこりゃ。おっ深宇宙でも魔王死ないとかどんだけ頑丈なんだよwwwあー、いまいちだな。やり直そ』

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『ぶっちゃけ世界を救うのは簡単なんですけどね。それをやったら面白くないから、もう一体魔王を召喚します。いけっ魔王二号!!』

 

 お互い喰らうべく戦うが完全耐性によりノーダメージだ。

 

『いまいち華がないなぁ?よし二号を1000垓メガワットレーザー吐けるようにしよか』

 

 レーザーを空に吐く魔王二号。そして太陽に直撃する。

 

『そういうの待ってたよ!!』

 

 莫大なエネルギーを注がれた太陽はスーパーノヴァを起こして惑星系もろとも消し飛んだ。

 

『wwwいやスーパーノヴァに巻き込まれて宇宙をかっ飛ぶ魔王とかおかしすぎるでしょwwwあー、やり直そ』

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『あれ?おっかしいなーなんか魔王が2体いるしwwwミスったか?やり直そ』

 

『やっぱり2体いるなぁ。ヤッベな。世界がバグっちまった。もう少し前に戻るか』

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「あかん、これはあかんやつや。サイコパス神とタンク魔王のバトルとか悪夢やん」

 

 思わず関西弁でツッコミを、入れてしまう。

 

「って魔王が増えてる!?」

 

『アチャーダメかぁ。ごめんちゃ、なんかバグっちまった』

 

「全然悪いと思ってないだろ!!なんとかしろ!!」

 

『飽きてきたし、この惑星の生き物に完全物理耐性と完全魔法耐性の永続バフっとこれで喰われることはなくなった』

 

「なにその解決法!?まぁ平和になったのか?」

 

 数年後、魔王を除いて人類は全て餓死した。

 

『おかしいなぁ。どれどれ?あっ!そりゃそうだわ。やり直そ』

 

 作物を、収穫しようにも完全耐性なのでノーダメージで採れなくて食べれない。肉も魚も当然ながら食べられない。餓死は当然であった。

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「あかん、これはあかんやつや。サイコパス神とタンク魔王のバトルとか悪夢やん」

 

 思わず関西弁でツッコミを、入れてしまう。

 

「って魔王が増えてる!?」

 

『そういうのいいから、ちょっとバグっちまっただけだから気にすんなよ』

 

「増えたら気にするわ!!なんとかしろ!!」

 

『はいはい、魔王に喰われないバフを惑星の生物全部にしてと、これでただの珍獣になったし帰るわ』

 

「えっ・・・えーーーー!!なにそれ!?」

 

 魔王の被害は無くなり世界は今度こそ平和になりました。

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