つらつら日記

@noharunrun0419

第1話 シャツハンター

1日の終わりに熱いシャワーを浴び、シャツを着ようとしたら、「ベリッ」と奇妙な音。

なんだ?え、まさか…と確認したら、シャツの袖部分が破れていた。

社会人になってすぐ、ユニ○ロのセール品で購入したもの。

5枚入りで、300円くらいだったか。

生地も丈夫で、洗濯してもへたれないところが気に入っていた。

かれこれ3年以上は着ていたと思う。

思わぬところで、大往生になったわけだ。

今まで、お世話になったのぅ。ありがとね。


ということが、今年に入って立て続けにあった。

1ヶ月に1枚、シャツがご臨終していたのだ。

今回の件で、手持ちのシャツが、残り1枚になってしまい、これはさすがにマズイと危機感を抱く。

ラスト1枚も、いつ終局を迎えるか分からない。

次の休みに、新しいのを買わねば…。


次の休みに、し○むらに向かう。

し○むらは、よく下着類のセールをやっていた記憶があったからである。

店内に入り、キョロキョロ探すこと数秒、銀のかごに山積みされたシャツらを発見。

私の大好きな、値下げシールが貼られている。ラッキー!選び放題ではないか!


早速山をかき分け、選定開始。

キャミソールタイプ、長袖のもの、型だけで5種類くらいあった。

色も白だけでなく、黒やら、ピンクまである。

はては、ちょっとしたレースが付いたものまで、セールの対象品だった。


今までは白を選んでいたけど、色つきもいいなぁ。

型も、袖無しのものにしようかな。

袖付きのものは破れやすいって、今回の件で思い知ったしな。

気分はもう、獲物を狙うハンターである。

目をらんらんと光らせ、2つ手にとっては見比べ、置いて、吟味して…。

20分以上は、あの場を占拠していたと思う。

端からみれば、良い年の女性が、しかめつらしい表情で、下着を漁っているのだ。

さぞかし、変な目で見られていたに違いない。


散々悩んで選んだのは、タンクトップ型で、白を2枚、黒を2枚買った。

タンクトップ型のシャツは、どんな形で終局を迎えるのかな?

袖じゃないところが破れるのかな…。

いや、破れる以外の形で、ご臨終になるのかしら…。

買ってすぐ、新しいシャツの終焉を考えていた。

我ながら、不吉なことを考えているなと、苦笑い。


お店を出る頃には、早く夕方にならないかなと考えていた。

新しいシャツの着心地を、試したくてたまらない。

よろしく頼むよ、新生シャツ君たち。

そして今回は、4年以上は保ってほしいと願うのであった。

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