第15話
医務室で用意をしながらしばらく待っているとアニコがやってきた。
「伯爵様お待たせしました。私は何をすればいいですか?」
「そんなに待ってないから気にしなくていいよ。ここの椅子に座って貰っていいか?今から体調のこととか色々聞くけど思ったまま答えてくれていいから。何か質問はある?」
「いえ、大丈夫です。お願いします」
とりあえずどんどん問診を進めていく。
「最後に、ほかに何か気になることとかあるか?」
「えっと、伯爵様に言うのは少し恥ずかしいですけど、女性のものがくる1週間前くらいから、気分がすぐれないことが多いです…イライラしてしまったり落ち込んだりして、仕事効率が下がります…」
「なるほど…それは大変だな。特に特効薬となる薬は…なさそうだから、対処としては、ゆっくり休んだり、リラックス効果のあるお茶を飲んだりするくらいかな?俺も普段から食事のメニューを気をつけてみるよ」
「ありがとうございます」
「体調が悪い時は無理して働こうとしないで休みを申請してくれて構わないからな…それじゃあ、今日の体調は大丈夫そうだから採血をさせてもらうよ。腕を出してもらってもいいか?」
用意しておいた清潔な布で腕を縛る。駆血帯の代わりになるといいが…
机の上に腕を伸ばしておいてもらい、血管を探す。
「今から採血をするが、気分が悪くなってきたらすぐに教えてくれ。基本的に痛みは少ないようにするが、耐えられなくなったら言うように」
「は、はい」
できれば一気に300mlくらいとりたいが、初めてなので100mlとれれば上出来だろう。
「よし、終わりだ!気分は悪くないか?」
思いの外アニコが大丈夫そうだったので、ガッツリ200ml採取させてもらった。
「はい!少し変な感じでしたけど痛くもなく、なんともありませんでした!」
「それは良かった!でも血をたくさん抜いたあとなんで、夕食まではこのベッドでゆっくりしていてくれ。幾らかの本と裁縫キットを置いてるので、身体を休めて欲しいけど、暇だったらその辺で時間を潰して欲しい」
「はい、ありがとうございます」
「夕食は6時頃にする予定なので、あと3時間はのんびり休んでくれて構わないからな。体調が悪くなったらそのままここで寝続けてくれて構わないから。あと、さっき明日も休める的なこと言ったけど、もし可能だったら畑の様子を確認して欲しいから午後から仕事を始めて欲しいかも…」
「はい、明日は私も休んでもやりたいことがないので仕事させてください。早く畑を耕して色々育てたいですし!」
「ありがとう。助かるよ」
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