*第11話 神龍ギャメラ

フシャァー!ズシンッ!ズシンッ!


象ガメだな!

すんげぇ~デカい象ガメだ!

アフリカ象の2倍くらいあるな!

立派なカリ首だ!


甲羅の上にやぐらが乗っかっている。

ワサワサと鳥の羽根が揺れる冠を被っているのが西の祈祷師だ。

派手な奴だなぁ。


小さな可愛らしい男の娘たちが楽器を手にお囃子はやしを奏でている。

挿絵:https://kakuyomu.jp/users/ogin0011/news/16818093078797497796


ジャンガジャンガ♪

ジャンガジャンガ♪

ジャンガジャンガ♪

ジャンガジャンガ♪


ギャメラ~♪

ジャンガジャンガ♪

ジャンガジャンガ♪


ギャメラ~♪

ジャンガジャンガ♪

ジャンガジャンガ♪


ツヨイゾ♪ギャメラ♪

ツヨイゾ♪ギャメラ♪

ツヨイゾ♪ギャ~メ~ラ~♪


ジャンガジャンガ♪

ジャンガジャンガ♪


いやぁ~可愛いなぁ~

一人貰えないかなぁ~

うへへへへへへへ


「進め進め!踏み潰せ!」


弓矢で応戦するのだけれど、ギャメラの皮膚は固くて弾かれる。

甲羅は言わずもがなだ。


祈祷師を狙いたいのだが、子供を盾にしているので、

さすがに躊躇ためらってしまう。

駄目だよ!っちゃ!

男の娘は世界の宝なんだからねっ!


まったく!なんて卑怯な奴だろうか!


「うわぁ~!大きいなぁ~!」

イリュパーもびっくり!

「おぉ~ハリマオちゃんよりもデカいね~」

ガオォォォ~~~!ぜんぜん平気だよ~!


「そうだろうけど~他の子も呼んであげないとまた拗ねるからね~

目には目を~爬虫類には爬虫類だよ~

リンゴちゃぁ~ん!出番だよ~」


シャァァァ~~~!呼ぶのが遅いわよぉ~!


十二支精霊のヘビ

リンゴちゃんの登場!

今回はオロチモードだ!


「ひえぇぇぇ~~~!」


毎度毎度、腰が抜けそうになる。

ごめんねイリュパー。

前もって紹介すれば良いのだけれど、

ハニーにそんな気遣いは出来ないから・・・


真っ白な巨体に燃えるような赤い目。

グワッと空いた口に剣の如く光る牙。


シュポッ!

ギャメラが手足と頭を引っ込めた!


怖いよね~

勝てっこ無いもの~

相手は精霊だもの~

立派だったカリ首も縮むよぉ~


シャァ~~~!せっかく来たのに~!

あっさりと勝負が付いてしまって不満げなリンゴちゃんであった。


「な!な!何だこれは!」

西の祈祷師はパニック状態だ。

男の娘たちは気を失っている。


あぁ~可哀そうに・・・

怖かったね~怖かったねぇ~

でも大丈夫だよ~

本当は優しいのだよリンゴちゃんは~

男の娘に危害を加えたりなんかしないよ!

もし傷つけたりしたら二度と登場させないから安心してね!


シャァァァ~~~?なんか寒気がするわね?

「風邪ひいたの~?」

グルルルルル変温動物だからね

シャシャシャァ~~~!私は精霊よ~~~っ!


櫓から引き摺り降ろされた西の祈祷師がハニーの前に連れて来られた。


「お前は何者だっ!」

「嬢王様とお呼び!ビュンッ!

ぎゃぁぁぁ~~~!バッシィ~~~ン!


肩口から脇腹にかけてザックリとえぐれた~!

これはキツイ~!

トゲトゲのムチ~~~!


ガクガクと体を痙攣けいれんさせながらも、

その表情は苦悶くもんの形相から愉悦ゆえつの色へと変わって行く。

これこそがハニーの必殺技!

極楽鞭秘ごくらくべんぴであ~る!


ハニーのムチには強力な情報の上書き機能が作動していて、

痛みが快感であると認識させる。

打たれれば打たれるほど幸福感に満たされる。


ついには身も心もハニーのしもべと化すのだ。

あぁ~怖い怖い。


「じょ・・・嬢王様・・・」

はいっ!一丁上いっちょうあがり!

でも意味が無いかな?


ドサリ。

ほらね、出血多量で死んでしまったよん。

トゲトゲムチはヤバイよねっ!


ついでにギャメラは荒縄あらなわしばって置いた。

もちろん伝統の緊縛術きんばくじゅつでだ。

これが本当の亀甲縛きっこうしばり~!


「もう近寄っても大丈夫ですかねぇ?」

「うん、もう動けないよ~」


こ、こら!イリュパー!

危ないからやめなさい!


ドピュッ!

うぎゃぁ~~~!バシャァ~ッ!


なんかドロッとした白い液体を吐きやがった!

ぶっかけられたぞっ!

毒か?酸か?

なんだ!


「うげっ!くっ臭いっ!おえっ!

臭い臭い臭い!おえっ!おえっ!

おぉ~~~えぇ~~~!ゲロゲロゲロゲロゲロ~~~!


毒でも酸でも無かったが、強烈に臭い!

息をする事を鼻が拒否している。


「あははははははは~!イリュパー臭~い!

あはははははははは~!」


「だ!大丈夫って言ったじゃないですかっ!」

「違うよ~動けないって言ったんだよ~」

「このっ!・・・もういいです・・・」


言っても良いよ?イリュパー。

馬鹿野郎って言っても良いよ?


ギャメラは人間に近づくなと言い聞かせて放してやった。

精霊の命令だからちゃんと守るだろう。


男の娘たちは東の集落で保護する事にした。

おいこら!もっと丁寧に扱え!

怖い顔をするんじゃ無い!

怯えているだろうがっ!

殺すぞ!お前!


大丈夫だよ~泣かないでね~


その他の連中は捕虜だ。

そいつらはどうでも良いな。

なんなら殺す?


こうして大亀退治は終了した。

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