第024話、ニューヒロイン?
ここは居酒屋『のんだくれ』 お酒が美味しくて種類も多く酒飲みが集まることで有名なお店らしい、賑やかで騒がしい様子が外からでもよくわかるほど店内は活気づいている、中に入るとお酒で顔が赤くなったオッサン達が陽気に飲んでいる、女の人は少ないようだけどツルンさんはここによく来るらしい、意外だけどツルンさんの見た目で通報されたりはしないのだろうか?
「さぁ! 飲みましょう!」
お酒のメニューを見ながらツルンさんはニコニコだ、俺はお酒は苦手だけどおつまみは好きだ、なにを頼もうかな。 メニューを見ながら悩んでいると先にエステン師匠が決めたようだが。
「ではワシはこの『ネェヨッチャッタ~』を飲もうかの」
「なに言ってるんですかそれはアルコールです、エステン師匠はジュースですよ、このミックスジュースなんかどうですか→『ヨワナーイ』」
「お前こそ何を言っておる、居酒屋に来て酒を飲まないとは何事じゃ! 酒を持ってこんかい!」
すでにエステン師匠の口調がちがう、雰囲気で酔ったのか? まだ小さいのに酒なんて許しません、ここは大人がきちんと説明しないと。
「未成年でしょ? ダメですよ、ジュースです!」
「ワシはお前より年上じゃ! 酒じゃ!」
「またそんな嘘をついて、そんなにお酒を飲んでみたいんですか? 背伸びしたいですか? 頑張って伸ばしてもたいして変わりませんから、あまり早くからお酒を飲むと成長が阻害されて大きくなれませんよ、脳にも影響がでます」
俺がエステン師匠に子どもがお酒を飲むとどうなるか、説明をしてるとツルンさんが衝撃の真実を話してきた。
「あの…… エステンさんは本当にサルナスさんより年上ですよ」
俺はエステン師匠を上から下までよく見る、やっぱり小さい。
「いやいやいや、ないないない、だって"コレ"ですよ」
「"コレ" とはなんじゃ! 普段は丁寧な言葉遣いなのに、時々はげしく口が悪いのぉ! どちらが本性じゃ?」
「どちらでもないですよ、どっちも俺ですから」
言い合いをしてると、店主が俺たちに話しかけてくる。
「あら~★ エステンちゃんいつも女二人なのに今日は男連れ? 珍しいねぇ、あれ? ツルンちゃんもいるじゃない? もしや男の取り合い? きゃ~ ドロドロ~★」
店主はとても失礼なことを言ってくる、俺は○リコンではない、俺はこの店主を見て驚愕した、胸元を大きめに開けたボディコンのような服装とそこからスラリと伸びた足、服の色は紫でテカテカと光っており色気をかなり放出している格好だ、ただし本人はまぎれもなく "おネェさん" かなり個性的だ。
声が少し低く腕はムキムキ、俺をなめ回すように見る目つきもゾクッとする感じだ。 話しぶりからエステン師匠とツルンさんはよくここに来ているらしい、ということはエステン師匠は未成年ではない?
「え? 本当に俺より年上?」
「やっと信じたか!」
いまいち信じられないが本当らしい、俺が不思議そうにエステン師匠を見ていると個性的な店主が話しかけてきた。
「なになに? そんいう関係じゃないの? お兄さんもしかしてフリー? 明日の夜ならあ・い・て・る・わ・よ★ どう?」
すかさず店主は自分の胸筋を身体の中心に寄せつつウィンクして俺をナンパしてきた、すみません勘弁してください。
「あ~ 明日は夜に用事があるんですよ、残念ですけど」
ニゴッ
「あら、お兄さん気分でも悪いの? 顔が変よ★」
「……大丈夫です」
「残念ね、じゃあ注文が決まったら呼んでね、ごゆっくり~★」
嵐は去ったようだ、ここは居酒屋で合ってるよな、実はぼったくりのオ○マバーで裏に怖いおにいさんとかいないよな?
「二人はここの常連なんですか?」
「はい~ よくここで二人で飲んでます~ 店主さん面白いでしょ~ お客さんが少ない時は一緒にガールズトークしてます~」
「ワシは "がーるずとーく" はよくわからんから、酒をひたすら飲んでおるのぉ、ここの酒は絶品なのじゃ!」
「ガールズ?トーク……」
変態ちっくなスレンダーSM女、ごっつい体のオネェさん、中身が老人の幼女か…… どんな組み合わせなんだ、そして普段はどんな会話をしてるんだろう、俺はそれを聴く側にまわりたい。
とりあえず、ツルンさんとエステン師匠はお酒を注文、度数が高そうなやつだ、俺は適当におつまみを注文した、飲み物は… お茶だ。
カンパイをして、飲み始めてしばらくするとにエステン師匠が俺に絡んできた。
「はぁ~? お茶? 居酒屋でお茶? なめとんのか?」
「だって、俺はお酒は弱いんですもん」
「"もん" じゃない、可愛い子ぶるな! 男ならタルで飲まんかい!」
無茶苦茶なことを言い出した、酒癖がかなり悪いぞ。
「まぁまぁエステンさん~ サルナスさんは警戒してるんですよ~ お酒は裏の顔を暴き出します~ サルナスさんの、裏の顔はどんなですかね~」
ツルンさんも酔ってきたな、人を腹黒みたいに言わないでほしい、単純にお酒が苦手なだけなのに。
二人の酔っぱらいをスルーしてると横からスルッと何者かが俺にすり寄ってきた。
「おじゃましまーす★ ご指名ありがとうございまーす★ 店主の『ネネタン』でーす★」
「あ、チェンジで!」
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