第10話  ダンジョンでのいよいよボス戦!

俺はドアを開けた瞬間にミオと共にボスのところへ駆け出す。

ボスの見た目は、海の神というか、人魚のようなボスだ。

しかし、上半身は彫刻のような感じだ。

今はミオが前に言っていたスキルの『倍速』が発動していて、走る速度が速くなっている。

それにしてもこれ、かなり速いな。

思わず苦笑いしてしまいそうだ。

後ろをチラリと見ると、アリスはボスに狙いを定めていて、ユズキとハルトはしっかり位置についていた。


『ミオ、今だ』

「ラジャーッ!」


リクの言葉で、ミオがボスに切り掛かる。


「おっりゃー!」


ザンッ、ザンッ、ザンッ!

ミオが連続攻撃を正面から決める中で、俺は後ろに回り込む。

ボスの体力は………うん、少し減っている。

そこでボスがミオをはじく。

ミオは後ろに吹っ飛んでしまうが、これはユズキがカバーしてくれるから大丈夫だ。

俺は後ろで気づかれずにパワーをためる。

ユズキはミオをカバーしながら、自分でも遠距離攻撃をしている。

アリスも弓を続々と当て、攻撃は華麗にかわす。

ハルトは剣以外でもマシンガンを買ってあるから、そのマシンガンでユズキを守りながらボスに攻撃をする。

ミオはどんどんとにかくアタックして、ボスの体力を順調に減らしていっている。

よし、みんないい感じだ。


『いいぞ。できるだけ早くボスの体力を減らすんだ。ヒカルがバレる前に!』


後は、俺のパワーチャージをバレないようにしながら、ボスの体力を5ゲージ中1ゲージまで減らしてくれれば………

ふいに、ボスがこちらを振り向く。

まずい。バレた!?

ボスが俺に向かって腕を振り上げたその瞬間。

ボスの体力ゲージが残り1ゲージになった!


『行け、ヒカルっ!』


これは、行くしかないっ!

俺は、剣を振り上げてボスに向かって突進する。

そして、ボスが腕を振り下ろした瞬間に、上に飛んでかわす。

それでそのまま、ボスに向かって剣をふる!


「おりゃああああっ!」


ジャッキーン!

剣は豪快な音を立ててボスに突き刺さり、次の瞬間ボスは消滅した。


『勝ったぞ』


ボスを倒して最初に聞こえたのは、通信機からのホッとしたようなリクの声。


「か、勝ったー!!」

「勝ったよう!」


ミオとユズキは抱き合って喜んでいる。

アリスは小さくガッツポーズをして、ハルトはニコッと微笑んだ。


「勝ったぞー!」


最後に俺が、今日一番大きな声で叫ぶ。

その時に、俺のこの叫びが、このダンジョンに響き渡るのだった。

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