寝たら強制的に超危険ゲームに友達と参加させられたので、クリアして現実世界への生還を試みます。①

雨夏

第1話 スコープライトは危険なゲーム

ある日。俺・ヒカルは自分のベッドに寝転がっていた。


「スコープライトだっ」


ついさっき届いたばかりの最新ゲーム・「スコープライト」。

スコープライトはVRを使って遊ぶ、バトルもの。

しかも今日発売された。


「どんなだろ?」


ワクワクしながらゲームを起動すると、設定画面。

その設定を一通り終わらせると、町に出た。


「すっげー!」


町はすごい賑わい、人であふれかえっていた。

人がたくさんいる中で、もう装備をすべてそろえている人もいる。


「う~ん、レベルを上げるにはどうしたもんかな……?」


俺が早速悩んでいると、大人の男の人が声をかけてきた。


「それなら、ボス戦に行くといいよー」

「そうですか。サンキューです!」


男の人はニマニマ笑っていたが、アドバイスをくれたのなら行ってみるしかない。

一礼し、すぐにボスがいるところへ向かった。


ボスのところには巨大なモニターがあり、そこのモニターでカウントダウンが始まっていた。

人もたくさんいる。

今のうちに武器を装備しておくが、初期の俺の装備は初期の服と一本の剣のみだった。

勝てる気はしないが、やるだけやってみるか。

そう思ったときだった。

カウントダウンが0になり、ボスが現れた。

ボスの姿は、巨大な茶色い牛のようなものだが、立っているし目が赤く充血している。

いかにもボスって感じがする。

……とりあえず逃げて、様子見と行くか。

俺はすぐに後ろにしゃがみ込み、様子見をしていた。

かなりの人が向かっていくが、ボスの体力はまだ半分くらいでプレイヤーの体力の方が危ない。

戦っている人の中には、遠くから魔法を使って味方を回復させている人、どんどんボスに向かっていく人、俺と同じように様子見している人……と様々だ。

だが、ボスの体力が減っていく一方で、こちらで倒されている人もたくさんでてきた。


「そろそろ行くか」


様子見していたが、人数が減ってきてしまったから前に出て、ボスを攻撃し始める。

連続技を決めまくる、ように見えるが、俺はこういうゲームをするのは初めてだからひたすら攻撃をしているだけなのだ。

ひたすらあがきまくって、ようやく最後の一発!


「よっしゃ……!」


ボスを倒せた!俺が!

パチパチと拍手が起こる。

でも初心者の俺がなぜ……と考えたところで、答えはすぐ浮かんだ。

あの回復担当の魔法使いみたいな人たちが俺をひたすら回復させてくれていたのか。

それなら納得がいくもんな。

あー疲れた。そろそろ寝るか。レベルも上がったみたいだし。

そう思った俺は、拍手が巻き起こる中ログアウトした。


「ふぁ〜。楽しかったなあ~」


ゲームの世界から現実世界へと戻って来た俺は、ふとテレビに映ったニュースを見てものすごくおどろいた。

なぜなら、ニュースの一番の見出しは。

『最新ゲーム「スコープライト」、プレイヤーがの謎の死!』


「スコープライト……謎の、死?」


スコープライトは、つい今さっきまで俺がしていたゲームじゃないか。

しかもモザイクつきで出てきた顔写真は、さっきボス戦で会った人ばっかり。

それに全員……


「全員、さっき、ゲーム内でボスに倒されていた人……!」


つまり、この現状で推測できることは。

(ゲームの世界で倒されると、現実世界でも死ぬ……?)

そんなバカな話はあるかとは思うが。

これしか考えられないのだ。

というか、だったら俺さっき死にかけていたじゃないか……!

あの回復の魔法使いの人たちが俺の命の恩人だな。


「もう二度と、あんなゲームなんてやるもんか!」


だって死ぬ可能性があるゲームなんてやって損だ。

そう心に誓ってから……

さすがに夜だからだろうか。

眠気が襲ってきて、俺はベッドに寝転がって寝るのだった。

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