ミステリアスオアー -The Mysterious Ore-
千崎應鷹
プロローグ
アメリカのとある山中。
作業着を着た男達が必死にトンネルを掘り進めている。ここには数年後、新しい列車が走る予定だ。
今も昔もこういった作業は命懸けだが給料は割りと良いということもあり意外に人は集まる。
作業を開始して早数時間、従業員達のペースも上がって来た頃リーダー格の男が声を荒げて休憩の合図を出した。
従業員達は作業の手を止め各々持参した弁当や携帯食糧などを頬張る。
そんな中、ギリギリまで作業をしていた一人の男が何かに気付き声を上げた。
「ボス!ここに何か埋まってるんですけど」
その声に食事中の男達は一斉に振り向くがリーダー格の男が動き出すとほとんどの者は何食わぬ顔で食事に戻った。
「ほお、見たことない石だな」
リーダー格の男が見つめる先には眩い光を放つ石が埋まっていた。
土で汚れているにも関わらず、その石はかなりの光を放っていた。
男はピックで石を掘り出すとそれを袋に入れた。
「おお、綺麗…売ったら高そうですね!」
「そうだな、取り敢えずこれは一旦会社に持ち帰っておくか」
そう言うと踵を返し食事の続きを始めた。
まさかこの石に世界を揺るがす程の可能性が秘められているとも知らず…
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