逆鱗婚~株式会社ハムレット~
比呂
第一幕
上:家庭の事情
第一場 無情
――監視カメラに亡霊が映っている。
まだ明るい時間だったこともあり、そのときは随分と荒唐無稽な話に感じられた。
しかし夜半となってみた今、現場へとたどり着いてみると、それもあながちあり得ない話ではないように思える。
礼史は何度もここ<タマル・システムズ>の社屋を訪れたことがあった。夏季にはインターンシップで僅かな給料を貰いながらここで仕事を教わった。しかし思えばこんな時間帯にここを訪れたことは無い。いつもであれば煌々と照らされた社名看板も、今日に限ってライトアップされていない。不気味だと感じられて当然だ。
礼史は昼に受けた
普通はそんな話を真に受けはしないのだが、世良が冗談でそのような話をする人物ではないことをよく知っていたし、世話になった事実もある。一見非常識にも思える夜中の呼び出しに、礼史が快く応じたのも自然な流れだった。
礼史はビルの前に立ち、両手をポケットに突っ込んで一つ息を吐いた。見上げたビルは高層という程では無いが、月を隠すには十分すぎる大きさだ。今ここに入りたいと言えば嘘になる。でもその気持ちとは裏腹に足はビルの裏手へと進んでいった。
幾分暗がりになっている関係者通用口のインターホンを押すと、聞き覚えのあるしゃがれた声がスピーカー越しに響く。
「はい、どちら様でしょうか」
礼史は内心『わかっているくせに』と思ったが、至って自然に答えた。
「お久しぶりです。
「ああ礼史くん、悪いねこんな時間に。今開けるからね」
その声と同時に解錠を知らせる金属音がカチャンと鳴る。礼史はそれを合図に鉄扉を引き、夜の社屋へと入って行った。
礼史は経験上、世良が管理人室にいることは知っていたので、足速にそちらへと向かった。普段人気の多いエレベーターホールは、そのギャップも相まって、薄暗く閑散とした様子は大いに不気味だ。礼史は極力その方向が見えないように目を伏せながら進んでいく。心境的には肝試しのそれと相違ない。
目指す方向に僅かに漏れる光が目に入る。それが管理人室であることが分かると、礼史はホッと胸を撫で下ろした。近づくにつれて光とともに、話し声が聞こえてくる。世良だけではなく、他にも誰かいるようだ。
礼史はドアの前に立つと、手の甲で数度扉を叩きながら問いかける。
「入ってもいいですかー?」
「どうぞー」
答えたのは世良の声ではない。若者の声だった。礼史はその声を聞いてすぐに誰がいるのか検討がついた。
「なんだ、
ドアを開けながら礼史が発すると、給湯所の換気扇の下でタバコを吹かしている
「久しぶりだな礼史、元気してたか?」
「ぼちぼちです。秋セメの履修が決まらなくて悩んでたくらいですかね」
「おうおう、大学生ぶってくれるじゃねーか」
「実際大学生なんですよ」
蒼人の軽妙でやや鼻にかかった声は、人を誂うことに適している。最後に会ったときよりも伸びた髪は、ポニーテール状に後頭部で束ねられていた。紺色の細身のスーツを着こなしているあたり、知らなければ夜の街で働いていそうな外見だ。礼史は改めてそんなことを感じた。
今度は背後から声がかかる。
「やあ礼史くん、しばらくだったね」
振り返ると、上下セットアップの緑色のジャージに身を包んだ老齢な男が立っていた。今日ここに呼び出した張本人、
「お久しぶりです。びっくりしましたよ、急な電話で。しかも内容が内容なので」
「そうだよね、思えば礼史くんに電話をしたの自体、初めてだったかもね」
そう言うと世良は少し表情を曇らせて視線を落とした。礼史はそれを見て、やはりただ事ではないのだなと感じた。だからわざと明るい声を出した。
「いやあ、ここ来るのも久々ですね! そっち上がってもいいですか?」
「もちろん。どうぞどうぞ」
礼史は土間で靴を脱ぐと、一段高くなった畳張りのフロアへと上がった。それを追いかけるように、蒼人は忙しない様子で吸っていたタバコを空き缶の中に押し込んで、小走りで礼史に続いた。脱ぎ捨てられたスリッパが土間に乱雑に転がる。
畳張りのフロア中央にはちゃぶ台が置かれ、隅には折りたたまれた寝具が見える。一見するとなんの変哲もない一人暮らしの老人の部屋そのものだが、ある一画だけが異様だった。力強くファン音を響かせる重厚なサーバー端末が置かれ、その脇には六枚ものモニターが並び、近未来的な雰囲気を醸し出す。モニターはそれぞれが薄暗いフロアを映し出している。
世良は透明なグラスを三つ並べると、縁の埃をそそくさと親指の腹で拭った。そしてペットボトルから緑茶を注ぎ入れる。二リットル程のペットボトルを支える腕は小刻みに震えている。
「ありがとうございます。俺がやりますよ」
礼史は世良からペットボトルを貰い受け、残りのグラスに茶を注いでいった。
「悪いね」
そう漏らした世良の目はまだ曇っていた。何に対して悪いと感じているのかは、表情から察することは出来ない。
「それで、俺は何で今日ここに呼ばれたんですか? 亡霊、でしたっけ。それだったら俺じゃなくて霊媒師でも呼んだほうが良くないですか?」
ペットボトルを置きながら、礼史は首を傾げる。その背後から蒼人が発する。
「まあそう言うわな。でもよ、見てもらったら分かる。これが霊媒師案件なのかどうなのかってのが」
それを聞き余計に顔をしかめている礼史に、今度は世良が問いかけた。
「まずは見てもらう、っていうことでいいかな?」
礼史はしぶしぶ頷いた。
「……分かりました。でも嫌だなあ、俺苦手なんですよ心霊現象的なの。こんなことなら
「あいつは駄目だ」
礼史は蒼人の声色の変化に幾分鼻白んだ。その言葉にそれまでの軽妙さは無かった。
世良は苦笑を浮かべながら背を向けると、キーボードとマウスを引っ張り出して、サーバーにUSBケーブルを接続した。
「繰り返しになるけど、まずは見てくれるかな」
そう言いながら、世良がマウスをカチッと操作した途端、六枚のモニターの映像が切り替わった。先程までの映像よりも一段と薄暗く見える。世良が口を動かす。
「この日は天気が悪かったからね、月明かりがなくて光量が少ないんだ」
「この日?」
礼史が聞くと今度は蒼人が返した。
「ああ、これは三日前の映像だ」
映像はここ<タマル・システムズ>の監視カメラによって撮影されたものだった。右下には数字が刻まれており、目まぐるしくカウンターが動いている。時刻を刻む数値のようだ。
「あ、ここ俺と窓が研修に使ってた会議室ですね!」
「……」
モニターの一枚を礼史が喜々として指差したが、世良と蒼人からの反応はなかった。その様子に礼史は大きく息を吐く。
「……いや、せめて雰囲気くらい明るくしてくださいよ」
「これを見ても明るく出来るか?」
蒼人がそう発しながら指差したモニターは、最上階にある社長室前の廊下の映像だった。他の映像の廊下はタイル張りなのに対し、ここは
「これって社長室前ですよね? ここに何かあり――」
言いかけて礼史は目を見張った。訊くまでもなく何かがそこにいたからだ。青白い光の塊がゆらゆらと
「なんだよこれ……」
始めは気付かなかったが、よく見ればそれはただの光の塊ではない。縦長の五芒星のような形は、間違いなく人の形をしている。
画面端から現れたそれは、ふらふらと、そして幽かに形を変えながらモニターの中央の方へと進んで行く。あぐらをかいて座っていた礼史の膝が小刻みに振動する。
「いや、これガチで霊じゃないですか!? やめて下さいよ、やっぱりこれって霊媒師案件ですって!!!」
「落ち着け礼史、こっからなんだ、よく見ろ」
取り乱す礼史の肩に手をかけながら、蒼人が諭すように言う。肩からの伝わるほんの少しの体温のようなものが、礼史を少しだけ落ち着かせた。
礼史が再びモニターに顔を向けると、青白い光はモニターの丁度中央で静止していた。相変わらず幽かに揺らめいてはいたが、本体はそこに留まっているようだ。
しかし次の瞬間、蠢いていた光がその発光体の中心に集まったかと思うと、鮮明な人の形を象っていったのである。これには怖がっていたはずの礼史も食い入るようにモニターを見つめた。
人の形はどんどん鮮明になっていく。服装、髪、靴、それらの形がうっすらと見えてきた時、礼史はふと見覚えのある人間であることに気が付く。
「……おじさん?」
思わず漏らしたその声に、世良と蒼人は鋭く反応した。
「やっぱり、やっぱりお前にもそう見えるよな!?」
「いや、だってこれ……おじさんにしか見えないですよ」
「礼史くんが見ても、そうなんだね」
画面よりもずっと遠くを見つめているかのような目で、世良は二度三度頷いた。
礼史が思わずおじさんと呼んだモニターに映る霊は、ここ<タマル・システムズ>の創立者である先代社長の
礼史にとっては「先代社長」というよりは「親友の父親」と言ったほうがしっくり来る。昔から家に遊びに行っては、よくこのおじさんに遊んでもらったものだ。
それだけに、今目の前で亡霊として映っている秀勝を見て、礼史は恐怖よりも悲しみがこみ上げてきた。
「おじさん、おじさんどうして……」
礼史の声が上擦ったのを察してか、蒼人が礼史の背をゆっくりと撫でる。
「すまん、別にお前を悲しませるつもりもないし、もちろん嫌がらせなんかでもない。ただ俺と世良さんじゃあ消化しきれなかった。だからお前を呼んだ。お前に見せた」
「……俺が見たからって……なんだって言うんですか……?」
「ああ、そう思うよな、分かってる。でもな本当に見てほしいのはこの後なんだ。もう少しだけ頑張ってくれないか」
礼史はそれを聞き、行きたがらない視線を何とかモニターに向ける。やはり秀勝その人であることは間違いないように見えた。礼史の頭には親友であり、秀勝の愛息子である
モニターの中の秀勝は一点を見つめて静止している。その視線の先は社長室である。恨めしそうでもなく、おどろおどろしい雰囲気もない。ただ幽かに発光している以外は、普通に社長室に用があって立っている人のようだ。
しかし次の瞬間、突如身体を仰け反らせて、天井に向け大きく口を開けた。音声は聞こえなかったが、それが咆哮であることは誰の目にも明らかだった。
「!!! おじさん、何か叫んでますよね!?」
「そう見えるけど、監視カメラはプライバシーの観点から音声を収録していないからね。確認のしようが無いんだよ」
世良は腕組みをしながらそう言った。訊いた礼史も眉間に皺を寄せながら、再び画面に目を戻す。モニターの中の秀勝は、尚も身を震わせる程に激しく叫び散らしている。音など無くともその激情が伝わってくる。
「無念……だったのかな」
礼史がそう漏らした。それに対し、そこにいる誰もが否定も肯定もしない。飲み込んでいただけで、皆一様にそう考えていたのかも知れない。
その時、モニターの映像にも動きがあった。激しく感情を爆発させていた様子だった秀勝が、突如、力が抜けたように上半身をダランと前方に垂れたのである。海老反り状態から真逆の前屈状態への急激な移行は、いかにも人ならざる動きであり、まるでゴム人形のようで不気味だった。その所業に対して恐怖を感じてしまった事に、礼史は少しの罪悪感を覚えた。
蒼人が礼史の背を揺する。少し呆けていた礼史はそれで我に返る。
「ここからだ! この後の社長の口の動きを見てほしい! お前にはどう見える?」
その言葉で礼史の目に力が戻った。
モニターの中で秀勝が垂れていた頭を少し
少しだけ頬骨が突起するように縦に口が開く。そして次に口が尖る形で窄む。それの繰り返し。何も考えずに見れば、水面から餌を乞う鯉のようだ。パクパクと口の開閉を繰り返している。
しかし礼史ならではの穿った見方をすれば、これは意味のある動きだった。
「
「……なに?」
「だから、おじさん、ずっと言ってる、
「
蒼人はパチンと指を鳴らすと、勢いよく世良の方を向く。
「世良さん、これ『呪う』じゃない! 礼史が言ったろ、窓だ、窓のやつを呼んでいるんだよ!」
その表情からは少し安堵が見えた。
「……呪う? ってなんです?」
礼史が不思議そうに蒼人を見る。蒼人が自嘲気味に口を歪める。
「いや……その、見えないか? 社長の口がさ『呪う、呪う、呪う……』ってよ」
「いや見えないですよ、それじゃガチの亡霊じゃないですか! これは息子を呼んでいるんです『
「……うん、まあどちらにせよ亡霊には違いないような気がするけれど、やっぱり礼史くんに来てもらったのは正解だった。僕らには考えつかなかった解釈だよ」
そう言うと世良も大きく息を吐く。緊張から開放された様子が伺える。
「なるほど、窓くんか。秀勝さん、息子さん溺愛していたしねえ。窓くんだって秀勝さんをすごく尊敬しているようだったし。今どき珍しいよね、あんな風に堂々と父を尊敬しているって宣言できるような関係性って」
世良の言葉に、礼史は微笑を浮かべながら頷く。
「ですね。聞いててこっちが恥ずかしくなるくらいのお父さん好きで……まあそれだけに、去年おじさんが亡くなってから、ちょっとあいつも変わったかなって……」
そこまで言うと礼史は視線を落とした。
「落ち着いてるっていうか覇気がないっていうか、元々掴みどころのないヤツだったけどよ、最近は本当に何考えてるか分かんねえんだよな、窓のヤツ」
「そうですね、何か抱え込んでいる感じはします。でも表向きは明るくやってますよ。今でも<タマル・システムズ>は自分が継ぐんだって気持ちに変わりはないみたいです。大学にも今はしっかり来てますよ」
礼史の言葉を聞き、世良が感慨深げに発する。
「窓くんが継いでくれるなら嬉しいね。私も定年まで努めた会社だし、今もこうして再雇用で面倒見てもらっている身だから、会社が繁栄してくれるに越したことはないよ。でもねえ、今の社長では望み薄かな」
温和な表情からは想像できないような言い方で吐き捨てた世良に、蒼人も同調する。
「こう言っちゃなんだけど、
「うわ……なんかボロクソですね鉄哉さん」
二人が饒舌に社内の現体制に物申す中、礼史だけは少し気後れした表情だ。
礼史は次期社長の幼馴染として、今は亡き先代社長から大学卒業後の<タマル・システムズ>内定を約束されていた。別に無理強いをされた訳ではなく、窓とともに会社を盛り上げていくことを意気に感じていたし、他に比肩するような夢も無かった。
だから秀勝から「夏休みはうちの会社でバイトして力をつけろ!」と言われたことも別に嫌では無かったし、実際に業務を教わる中で楽しさも感じていた。
今現在、鉄哉が社長になったからと言ってその待遇に変化が生じた訳ではない。実際、秀勝の葬儀でも鉄哉から「期待している」と声を掛けられた。
しかしなんとも言えない違和感、喪失感のようなものはあった。やはり礼史も「田丸秀勝」というシンギュラーな存在に魅せられていた一人なのかも知れない。
自分なんかよりも秀勝と鉄哉両者をよく知る二人が、公然と現体制への不満を口にしたことで、礼史はそのことを思い知らされた気がした。
「……んで、どうするかだな」
そう言いながら、蒼人はモニターに目を遣る。自然と他の二人もそれを追う。
静止したまま口だけが動き続ける秀勝の姿がそこにある。まるで同じ動画を繰り返し流しているかのようだ。礼史はこんな姿を見たくはないと、切に思った。
「呼ばれてる本人に、知らせたほうがいいのか?」
蒼人がそう続けると、礼史はブンブンと
「窓にこんなの、言えるわけない……窓にこんなの、見せられるわけない……」
「うん、同感だね。だけど――」
世良は礼史に同調しながらも、眼力を強めて言葉を続けた。
「何か伝えたいことがある、とは考えられないかな。ほら秀勝さんは、あんなふうに事故で突然亡くなったでしょ。何か伝えたかった思いを抱えたままになっているということも考えられるよ。いや私だって信心深い方じゃないし、こんな超常現象普通じゃないって百も承知なんだけれども」
世良はそこまで言うと一度言葉を切って、優しく微笑んだ。
「……なんて言うかな、そんな亡霊になってまで
「確かに」
蒼人もそう言うと笑みを浮かべた。礼史には蒼人の目が幾らか赤らんでいるように見えた。
世良の言葉を
礼史からすると、かの田丸秀勝に「亡霊」なんていう言葉は似つかわしくない。残った作業を片付けるための言わば現世での「残業」とでも言うべきなのかも知れない。だとすれば、早々に帰宅してもらうためにも、残業の手助けは必要な気がしてきた。
「あいつは――窓は――、最近ようやくおじさんの死から吹っ切れたと言っていました。でも……言っているだけなんで本当は違う。俺には分かります。だから――」
礼史はぐっと拳に力を込めた。
「ある意味これは賭けになるかも知れないけど、ここに連れてきて、おじさんと会わせてみるのも、前に進むためには必要なのかも知れません」
礼史のその言葉に、反論する者は無かった。
「……礼史くん、窓くんに伝える役割、頼んでもいいかな?」
世良が優しく問いかけた。礼史は無言で頷くと、真っ直ぐに携帯の入ったポケットに手を遣る。蒼人が慌てたように声を出す。
「ちょっと待った! 今から言うつもりじゃないよな?」
「早い方がいいでしょ。まだ起きてると思うので今から言おうかと」
蒼人はブンブンと首を横に振った。
「いやいや、やめとこうぜ今は。せめて結婚祝いのパーティーが終わってからの方が良くないか?」
これには世良もハッとした様子で同調した。
「ああ、それもそうか。結婚記念パーティーの前に知らせると、事がややこしくなる可能性もあるかもね。窓くんにも秀勝さんにも関連することだし……」
礼史は二人の言葉に内心苛立った。杞憂だと思った。窓が子供のように割り切れない態度をとることはないと思ったからだ。でもそれを面と向かって口には出せなかった。自分も心のどこかで、秀勝の霊を目の当たりにした窓のことを信じられていないのかも知れない。それが何よりも嫌だった。
「……分かりました。ひとまずはパーティーまでは黙っておくことにします。その後のことは俺に任せて下さい。ここに連れてくる日が分かったら俺から連絡します」
「了解。私はいつでもここにいるから、連絡を貰えればいつでもいいからね。こんなこと礼史くんにしか相談出来なくて、本当にごめんね」
世良は優しく、どこか申し訳なさげに眉を八の字に歪めながらそう言った。
いつのまにかスリッパを履き、土間でタバコに火を着けていた蒼人が呟いた。
「……結婚記念パーティー、か……」
吹き出したタバコの煙が換気扇の方に吸い込まれていく姿を見ながら、礼史は嫌なことを思い出したな、と感じていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます