これからも
ずっと一緒。
あれから数年。
付き合いたては、3人で付き合うことが初めてだから戸惑ってケンカが多かったけど、今では慣れてきたのもあって幸せいっぱい。もともと幸せだけど!
変わったことといえば、お互いに下の名前で呼ぶようになったってことかな。
そうそう、今日は私の大学の卒業祝いに旅行に連れてきてもらってて、海外はちょっとお金がかかりすぎるからってことで、沖縄にきてます!!
白い砂浜、青い海、おいしいごはん!なんて最高なんだろう。って映画みたいなセリフも言えるぐらい浮かれてる。
ホテルもちょっとだけ奮発していいところに泊ってるから、ほんと贅沢過ぎる…。
亘輝は寝ちゃってるし、浜辺でゆっくりしてるだけでも十分なぐらい。
「真美は泳がないの?」
「ちょっと休憩中。」
「じゃあ亘輝も寝てるし僕も休憩~。」
「明日で帰るのなんか名残惜しいな。」
「ね。僕たちの仕事がなければもう少しいれたんだけどね。」
「しょうがないよ。それに、長くいたら帰りたくなくなっちゃうかもしれないもん。」
「そうだね。」
「…腹減った。」
「亘輝も起きたし、そろそろ戻ろっか。」
「うん!」
ホテルのレストランで夜ご飯を食べた後、海辺を3人で散歩することになった。
ここのレストランはバイキングだからって、お腹いっぱい食べ過ぎちゃったから食後の運動に。
初めて夜の海に来たけど、想像よりもちょっとだけ怖い。だけど、星空と合っててすごく綺麗。
「なぁ、真美。」
「なに?ってわぁあ!?」
腕を突然引っ張られたかと思って気づいたら亘輝の顔が至近距離で、何が起こったのか理解するのに時間がかかった。
「ど、どうしたの?」
「結婚しないか?」
「え?…えぇ!?ってきゃあ!!?」
亘輝から“結婚”ってワードが聞こえたと思って戸惑ってたら、今度は隆貴に腰に手をまわされて引き寄せられていた。
驚いて顔を上げると隆貴の顔が至近距離。
「僕と結婚しない?」
「…えぇ!?」
それより、すごいこの光景に覚えがある。
この突然の強引さといい、セリフといい…文化祭の時にランウェイでされたこととほぼ同じじゃない?場所が文化祭のランウェイじゃいことと、3人で一緒ってことが違うけど。
なんにしても“結婚”ってワードが強すぎて頭が働かない。
どうしよう、“結婚しよう”って言われてるの?私が!??
「ほら、亘輝が突然始めるから口開いたままフリーズしちゃってるじゃん。」
「お前も共犯だろ。」
「僕は面白うそうだったから乗ってみただけだし~。」
「真美、返事はいつでもいいから。これだけは受け取って欲しい。」
「ちょっと待って。思考が全く追い付いてない。」
「そうだよね。でもこれ、もらってほしいな。」
亘輝の手のひらに乗っかってる箱を受け取って、中を開けてみると指輪が入っていた。
「これ…指輪?」
「そう、僕たちでデザインしたんだよ。」
「手だして。」
「あ、うん。」
「似合うな。」
「サイズもピッタリだね。」
2人がデザインしたという指輪は、3本のラインが絡み合う様に描かれていて、フロントになるであろう場所には小さめのダイヤがついてる。内側の模様はなんか出っ張ってるっぽいけど、なんも違和感がない。
すごくきれい。
「あ、内側のやつ気になった?」
「うん。あれ何?」
「あれはね、亘輝の案でね~、文字になってるんだよ。」
「文字なんだ!なんて書いてあるの?」
「…俺らの名前だ。」
「私たちの名前?」
「あぁ、指輪外してみろ。」
「もう答え分かったし気に入ってるからまだ外したくないー。」
「気に入ってくれてるのは嬉しいけど、外してみてよ~。」
しぶしぶ言われるがままに指輪を外してみると…
指に私たちの名前の跡がついていた。
Kouki、Mami、Ryuki
私の知っているリングの内側は大体が彫ってあるものだから基本跡はつかないもんね。
外しても名前があるのってなんかいい。
「すごい、指に名前の跡がついてる!」
「亘輝がさ、リング外してもなにかしら残るようにしたいってこだわったんだよ~。」
「そうなんだ!!これ3人でおそろいなんだよね?2人にも残るんでしょ?」
「あぁ。」
「なんかいいね、これ。」
「気に入ってくれたか?」
「もちろん!!」
「よかった~。」
2人には貰ってばっかりだな…。
でもちゃんともらったからにはお返事しないとだよね。
「指輪ありがとう。私2人に何もお返しできてないけど、それでもよかったらこちらこそ結婚して下さい!」
「お返しなんて気にしなくていいんだよ。」
「俺らは真美がいればそれでいい。」
「ありがとう。改めてこれからよろしくお願いします!」
「「こちらこそ。」」
その日の夜は今まで生きてきた中で一番幸な夜だった。
-つづく-
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