先輩と (仮) ‐覚悟‐
先輩達の事が好きと自覚した次の日、雨の中傘もささずに騒いだ私は見事に風邪をひいて、仮期間を2日も無駄にしてしまったんです…。そうです、おばかです。
寝込んでいる間は佐藤先輩も高橋先輩もメッセージをくれてたから、ちょっと元気でた。
今日は佐藤先輩との期間が終わってしまう1日前。
寝込んでいる間、好きだと自覚したからには仮で付き合う必要はないんじゃないかなと思って、いっそ仮期間が終わる前に私から言っちゃおうかなって…!考えついちゃったわけです!!先輩達もずっとドキドキしながらなんてストレスだと思うから。元はと言えば私がすぐに答えられなかったのが原因なんだけどね。
だから、今日それを実行したいと思います!
「おはよう杏実。」
「おはよーーーーー!心配したんだからね!」
「ただの風邪だよ?」
「それでも心配はするって!治ってよかったー。」
「心配おかけしました。ところでさ、相談したいことがあるんだけど、お昼にいい?」
「もちろん!」
お昼にどうやって杏実に相談しよう、そこまで考えてなかった…。
とりあえず、2人の事が好きなことが分かったって伝えて、どっちかと付き合うというよりは2人と一緒がいいって思っている事は絶対に伝えないとだよね。
でも2人の事が好きになっちゃった事ってやっぱり変なのかな?杏実に言って嫌われたらいやだな。話してみないとわからないから、一か八かで!
「って感じなんだけど…。」
「はぁーーーーーー、やっと!?やっとなの!?」
「やっとって!?」
「あたりまえじゃん!本当に先輩達かわいそうだった…。」
「ひどい。」
「だってさー、今まではマンガみたいに好きな人が突然現れないかな~とか言ってたのにさ、文化祭終わった後ぐらいからいきなり先輩達のことばっかり相談に来るから。私にとっては先輩達の気持ちも、真美の気持ちも丸わかりだったけどね。まぁ相談してくれたのは嬉しかったけどね。」
「えへへ。」
「とりあえず、応援してるから。どういう結果に転んでも、私は先輩たちに負けず近くにいるし嫌いになんてならないから安心して。」
「ありがとう。」
杏実にも後押ししてもらったし、ちゃんと私の気持ちを先輩たちに伝えないと。
善は急げ!
ということで、メッセージで今日の放課後に教室に来てほしいって伝えよう。
『今日の放課後に話したいことがあるので、私の教室に来てもらえませんか?』
送っちゃった…。
あ、返信早っ!
『了解!』
『わかった。』
よかった。ちゃんと来てくれるっぽい。
はぁ…今からドキドキする~。
放課後、だれもいない教室に3人が集まる。
3日ぶりに会うからかな、顔を見るだけでもドキドキする。
「お2人とも、集まっていただきありがとうございます。」
「なんか堅苦しいね~。風邪大丈夫だった?」
「はい。ご心配おかけしました。」
「傘持たずに走り始めるからだろ。」
「その通りです。何も返せません…。」
「風邪ひいてる間に何かあったのか?」
「悪い話じゃないといいんだけど。」
「悪い話ではないと思います、たぶん…?えっと、まだ仮で付き合う期間なんですが、どうしても伝えたいことがありまして…。」
緊張して手が震えるし、今からでもここから逃げ出したい。
でも、ちゃんと話してちゃんと付き合いたい。
だから―
私はうつむいてた顔を上げて先輩達に話始める。
-つづく-
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