推理は日常の中で

第3話 依頼人

「ストーカー被害？」

最初この言葉を聞いてもいまいちピンときませんでした。

確かにストーカー被害と言ったら撲滅すべき悪みたいなものです。

ただ、芽依にそんな友達いたっけな？と考えてしまいました。

「碧、芽依ってそんな友達いた？って考えなかった？」

思っていることを言い当てられてぎくりとしました。

エスパーかよ！

「そ、そんなこと思うわけ無いじゃないですか芽依さんや・・・。それよりその子って私も知ってる人？」

「まぁいいけど、多分知ってるんじゃないかな？あの子有名だし。」

有名で芽依の知り合いかぁ。

うん、全く予想がつかない。

芽依の周りの交友関係は、ある程度理解しているつもりだったけど、あくまでそれはクラス内での話だ。

私がわかないってなると、違うクラスってことになる。いつの間にそんな友達を作ったのやら・・・。

「叶　涼子（かない　りょうこ）って知らない？２－Aの子なんだけど」

２－A！？エリートクラスの子なのか！

私たちの学校はA～Dまでのクラスがあって、Aクラスがエリートの特進クラス。

BクラスとCクラスが普通の進学クラス。

Dクラスが就職クラスとなっている。

ちなみに私と芽依はBクラスに所属している。

叶・・・？

どっかで聞いた覚えがあるような・・・。あっ！！！

「叶ってあの叶さん！？成績優秀でスポーツ万能、陸上部に所属していて、全国大会にもでて結果を残してるっていうあの超絶美人さんのこと！？」

「そうそう、その叶さんだよ～」

マジでか～！

まさかそんな有名人がストーカー被害に遭ってるなんて、犯人許すまじ！！

っというか、ここで一つ疑問が生まれる。

「ってかさ、なんで芽依はそんな有名人と知り合いなの？一年間一緒にいるけど一度も絡んでなかったよね？」

「あぁそのことか。なんとっわたし鳴瀨芽依と叶　涼子は家が近所の幼なじみなのだよ！！」

「な、なんだってー！！」

驚きすぎて後ろにこけそうになってしまった。

本当に衝撃的な事実が、私に突き刺さる。

なんかそこら辺の事件に遭遇したときよりも驚いた気がする。

「存分に驚きたまえ！」

「いや本当に驚いたよ。それでその叶さんがどうしたって？」

「多分そろそろ来る頃だと思うから詳しい話は本人から聞いた方が良いかもね～」

叶さん来るのか～！

有名人に会うなんてめっちゃ緊張しちゃう！平常心平常心・・・。

そう思っていると静かな部屋にノックオンが響き渡った。

コンコンッ