第42話 失敗





あっという間に休日は終わり、月曜日を迎える。月曜日の朝、まゆにおはよう。って起こされて、まゆから弁当を受け取り、まゆが作ってくれた朝ごはんを食べて仕事に行くまゆを見送って朝ごはんの片付けをしてから僕も仕事に向かう。


まゆが作ってくれた美味しい弁当を食べてお仕事を精一杯頑張ってアパートに帰る。アパートの駐車場にまゆの車が止まっていたので今日も笑顔でまゆに出迎えてもらえるのかな。と期待しながらアパートのインターホンを鳴らす。


ところが、待っても返事がなかったのでドアを開けてみると鍵が閉まってなくて普通に開いた。まゆの靴は玄関にあるので、まゆは中にいるはずだけど……


「ただいま。まゆ、一応鍵はちゃんと閉めとかないと危ない…よ……」


鍵を閉めて靴を脱いで手洗いをしてリビングに入るとリビングの隅っこでまゆが体操座りでちょこんと座っていた。なんか負のオーラみたいなものがまゆの周囲に見える気がする……


「ま、まゆ?どうした?すみっこぐらし?大丈夫?」

「……………」


無言。なんか体操座りしながら足に頭をめり込んでるし…本当に何があったんだ?


「おーい。大丈夫?」


まゆの隣に座ってまゆの頭を撫でながらまゆに聞くとまゆは泣きだしてしまう。以前にもこういうことがあったっけ…大学の部活の係でまゆが失敗した時…大学の空き教室の隅っこで体育座りして泣いていたことが……


「まゆ、聞いてよ。今日さ…僕の前歩いてた先輩のかかと踏んで先輩転ばせちゃってさ…笑って許してくれたけどそのあとめちゃくちゃいじられたんだよ…」


今日やらかした失敗を笑い飛ばすような感じでまゆに言うとまゆは泣きながら少し笑ってくれた。


「いっぱいやらかしちゃって迷惑かけまくりだよ…まゆは何か失敗しちゃった?」

「先輩の頭叩いちゃった…」

「何事!?」


予想外の解答すぎた。え…まゆちゃん…どうした?


「こ、子どもとね。遊んでたの。子どもと目線合わせるために中腰の状態だったんだけど…そ、それで…みんなでバンザイしようとしたら…まゆに背後から話しかけようとしてた先輩の顔に思いっきり手が当たっちゃって……」


笑ってはいけないけど笑ってしまう。かわいい。僕が笑うとまゆは笑わないでよ!と僕を軽く叩いてくるが、まゆもさっき僕の失敗笑ったじゃん!と言い返すと笑って、お互い様だね。と言っていた。


「失敗なんてして当然なんだからさ、元気だしなよ」

「なーんか、りゅうちゃんにだけは言われたくない…先輩転ばせたくせに……」

「うるさいなぁ…」


さっきまで泣いていたけど笑っているまゆを見て安心する。やっぱりまゆは笑っている時が一番かわいい。




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