第41話 病み上がり





「ん…りゅうちゃん…おはよ」

「おはよう。体調はどう?」


いつものようにまゆにおはよう。って言ってもらえることを幸せに感じながらまゆに体調について尋ねる。


「うーん。結構元気!りゅうちゃんが一日休ませてくれたから良くなったと思う!」

「そっか。ならよかったよ。やっぱり疲れが溜まってたんだね。ごめんね。まゆにばかり負担かけて…」

「いいよ。りゅうちゃんのお世話できることがまゆにとって幸せなことだから気にしないで。昨日は家事とかいろいろしてくれてありがとう。すごく助かった」


まゆは笑顔でそう言って僕を抱きしめてくれる。このまゆの優しさが大好きだけど、この優しさに甘えてばかりはいられない。


「さ、昨日はりゅうちゃんにいっぱい助けてもらったから今日はまゆが家事頑張るよ。りゅうちゃんはゆっくりしてて」

「こら…まずは熱測って…」


布団から起き上がるまゆの腕を掴んで枕元に置いてあった体温計を渡す。まゆが熱を測ると平熱に戻っていたみたいで安心した。


「熱下がってるけど一応今日は大人しくしてて。まゆが疲れてる時くらい普段のお返しさせてよ。お願い…」

「…………」


まゆは少し黙った後、顔を赤らめながら小さな声でありがとう。と言ってくれる。というわけでまゆはリビングのソファーでゆっくりしてもらって僕はさっさと寝室のお布団を片付けて寝室とリビングの掃除機をかけて家事を終わらせていく。


「りゅうちゃん、家事できるじゃん…」

「これくらいしかできないけどね…」

「そんなことないよ。昨日もお粥すごくおいしかったし」

「まゆが作ったのには敵わないと思うけどね…」

「もう。まゆは本当に美味しい。と思ったからお礼したのに…」

「え、あ、ごめん。ありがとう。でも、お粥しか作れないからさ…また料理教えてよ」

「もちろんだよ。じゃあ、お昼ごはんは一緒に料理作ろう」

「うん!」


一通り部屋の掃除が終わった後、まゆと一緒に台所で料理をした。まゆに言われた通りに料理を進めると僕でも上手く料理をすることができ、すごく美味しい昼ごはんを作ることができた。まゆと2人でお昼ごはんを食べる時、まゆが美味しいね。と言って食べてくれるのが嬉しかった。


普段、僕がまゆの料理を食べて美味しい。って言った時、まゆが必ず、美味しい。って言ってくれてありがとう。と嬉しそうにしている理由がわかった気がする。大好きな人に喜んでもらえて…すごく幸せな気分になった。





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