第29話 ゴキゲン
まゆと暮らし始めてから8日目…
何故だろう…朝からまゆの機嫌がものすごーく悪い気がする。やっぱり昨日疲れてるのに余計な手間をかけさせてしまったから怒っているのだろうか……
「まゆ、えっと…な、何かあった?」
「なんでもない…」
いつもなら優しくえ?どうして?とか聞いてくれるのにバッサリ切り捨てられた。しかも、さっきからソファーで毛布に包まっていていつもみたいに僕の側に来てくれない…よほど怒ってるみたいだ。
「え、えっと…なんか飲む?僕、コーヒー淹れてくるけど…」
「いらない」
………やばい。めちゃくちゃ機嫌悪いよ。どうしよう。
「ちょっと向こうの部屋行ってくる」
そう言ってまゆは立ち上がって寝室に入っていく。え…本当に怒ってるやつだ。え…僕何した?昨日のこと以外心当たりがないんだけど……
1人でコーヒーを飲みながらまゆが不機嫌な理由を考えてみたがわからない。だから、まゆに聞いてみることにした。とりあえずまゆは1人で居たいみたいだから、スマホでまゆに連絡してみる。
『まゆ、大丈夫?僕、何かしちゃった?』
『心配かけちゃってごめんね。大丈夫だよー』
すぐに既読がついてまゆから返事が来た。普段のまゆと変わらない感じのメッセージだったけど先程のまゆの様子を見てるとやはり心配になってしまう。
『何かあったら言ってね』
そうまゆに送るとすぐにありがとう。と返事が来てまゆとのやり取りは終了してしまう。どうしよう。とか不安な気持ちでいっぱいになるが何もできないまま時間が過ぎていく。
そしてまゆが寝室から出てきてお昼ごはんを作ってくれる。1人で料理させて。って言われていたので僕は黙ってリビングで待っていた。
「まゆ…大丈夫?」
まゆが作ってくれたお昼ごはんのチャーハンを食べながらまゆにもう一度大丈夫か聞いてみる。
「大丈夫だよ」
「でも…」
「………」
僕が困った表情をするとまゆも困った表情をする。
「りゅうちゃん、ごめんね。えっと…別に怒ってるわけじゃないの…でも、えっと…い、今…まゆ、女の子の日だから…えっと…その…落ち着かないの……それに…その…今回の今までの比じゃないくらいつらくて……りゅうちゃんに八つ当たりとかしたら申し訳ないから…」
そういえば…まゆは月末になると僕から距離を置いていたような気がする。それに初めてああいうことをした後の女の子の日はすごく辛いって聞いたこともある。
「そうだったんだね。気づかなくてごめんね。まゆ、辛いよね。僕にできることあったらなんでもするから言ってね」
「ありがとう。じゃ、じゃあ…お願いしていい?」
「うん」
「まゆの側にいてほしい。えっと…でも、その…機嫌あまりよくないと思うけど…それでも側にいてくれる?」
かわいい。僕がまゆのお願いを断るわけない。まゆが辛い時側にいたい。僕にできることはなんでもしたい。まゆにもちろん。と答えるとまゆは嬉しそうに笑顔でありがとう。と言ってくれた。
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