第23話 進展





みほちゃんといろいろあった後、僕はまゆと一緒にまゆのご家族と夜ご飯をいただいた。この数日間、何度も味わった大好きな味がいっぱい並んでいて、まゆの料理上手はお母さん譲りなんだな…と思った。


そして、まゆが可愛がっている愛犬のチョコのお散歩をまゆとみほちゃんとしてから、まゆのご両親に改めてご挨拶をしてまゆのご実家を出る。


「また来てね。今度遊びに行かせてよ」

「うん。こっちの生活が落ち着いたら是非遊びに来てよ」


駐車場まで見送りに来てくれたみほちゃんとそんなやり取りをしてからまゆの車に乗ってアパートに帰る。


「ねぇ。りゅうちゃん、えっとさ…その……」


アパートに帰る途中の車内でまゆは僕に何かを言いたそうな雰囲気を出すが、中々次の言葉が出て来ない。どうしたのだろう。


「え、えっとさ…む、昔の話以外に…みほと何か話した?」


まゆは顔を赤くして僕に尋ねる。その様子だけで何について聞きたいのかはわかった。きっと…その…どこまで進んだのかという話についてだろう。


「な、何の話?」

「わ、わかってるくせに…えっと…あ、あれだよ。ほら…こ、恋人がすること……の話……」

「え、あ、うん……」


なんとなく気まずい感じになってお互い黙り込んでしまう。まゆはどうして、急にこの話を僕にしようと思ったのだろう。


「りゅ、りゅうちゃんはそういうことに興味ないの?」

「………」


あるに決まってる。でも、ある。と言っていいのだろうか…わからない。


「どっち?」

「え、えっと…ある…かな……」

「えっち……」

「ごめん……」


その後はお互い黙ったまま気づいたらアパートに着いていていつも通りお互い交代でお風呂に入ることになり、先に僕がお風呂に入る。


脱衣所で服を脱いでシャワーを浴びて体を洗っていると突然、お風呂場の扉が開いた。


「え……」

「あ、あまりじろじろ見ないで…恥ずかしいじゃん…」

「ご、ごめん…」


僕は慌ててまゆから眼を逸らして前を向く。タオルで体の正面を隠してはいたが…裸だった…


「背中流してあげる…で、でも、まゆ…裸だから…後ろ見ないで……」

「う、うん」


まゆに背中を流してもらっている間、ドキドキが止まらなかった。まゆは丁寧に僕の背中を流してくれて先に入ってて。と言って僕を先にお風呂に入れる。まゆに見ないで。と言われたので僕はシャワーがある方とは反対側を向いていた。


しばらくしてシャワーの音が止むと、まゆもお風呂に入ってきた。お互い、ドキドキしていたからか、背中合わせの状態でお風呂に入る。めちゃくちゃドキドキする。心臓に悪い。でも、すごく幸せだった。






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