最期の輝きを放つ舞茸とナスの炒め物
玄栖佳純
上の三分の一が白いナス
最近、外食が多くて野菜不足を感じていたので、たまには自炊しようと冷蔵庫の野菜室を開けた。まず、買い込んでいたエリンギとぶなしめじが見つかった。
特別な日でも何か凝ったものを作りたい気分でもない毎日の朝食に、時間をあまりかけたくない。
手をかけずに、自分のお気に入りの味になるきのこ炒めを作ることにした。
きのこと白菜の相性は悪くないので白菜を出す。かなり前に買ったナスも見つかった。
ナスは皮にアントシアニンが入っていて健康にもいい。
アントシアニンの目印は色。中性で紫、酸性で赤、アルカリ性で青になる。
理科の実験で野菜や花から色素を取り出してレモン汁を入れたり重曹を入れたりして色が変わるのを楽しめる。ナスでもできるが、色が変わる紫色の液体を作るには紫キャベツを刻んで煮込むと楽にできる。
しかし、ナスの上の三分の一が白になっていた。
買ったばかりのナスは紫色だったように思う。
アントシアニンはどこに行った?
捨てるのは嫌なので、とりあえず野菜室から出す。
死なないんじゃないか? たぶん、詳しいことはわからないけど。
できるだけ、食べられる物は捨てたくない。
刻めば食べられるのだから、芯も食べる。手間をかければ食べられるのだ。それなら刻んで食べる。
しかもお野菜ならカロリーが低いし健康にもなれる。
それなら食べるしかないであろう。
しかし白い。
買った時はたしかに紫だったのに。
でも、なんとかしてみよう。
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