とある牢屋

バブみ道日丿宮組

お題:真実の牢屋 制限時間:15分

とある牢屋

「牢屋の名前は1とする」

「1って、牢屋にいちいち名前つけてるの?」

「中に入ってるもので名前をつけてもいいけど、知らないものもあるじゃない」

「光とか、闇とか、緑とかかな?」

「正確には光に反射する石と、紫で透き通る石だけどね」

「細かいことはいいよ。それで回収しないの?」

「鍵が頑丈で中に入れないのはわかってる?」

「それはいろいろためしたからね。壊すのも無理なんて、防犯対策がしっかりしてるよね」

「人がいれば、そうなんだろうけど」

「人だったものはいるじゃない。このスケルトンとか、ゾンビとか」

「そこに進化あるいは退化したら、抜け出せそうな気もするけど」

「スライムじゃあるまいし、出てはこれないんじゃない? 出てきたら、退治するのだけど。この屋敷は報告する?」

「一応上に報告する。その対処法に基づいて、あとをつける」

「報酬なしはシャレにならないよ」

「私たちにわからないだけで、価値のあるものがあるかもしれない」

「まーきらきらしてるね。宝石もあるかもしれない」

「キラキラしてるからって高いものであるわけじゃないよ。プラスチックだって光るし、なんだったら水も光る」

「そーだね」

「とりあえず、召喚獣を出して」

「わかった」

「あとは一筆した手紙を書いて、送るだけ」

「一週間ぐらいかな」

「それぐらいは待つだろうね」

「ベースキャンプに戻る?」

「ここにいても意味がないから、そうなるね。狩れる動物もここらへんにはいなさそうだし」

「一応見張り用に召喚獣を出しとく?」

「そうだね。今までが大丈夫だったんだから、壊れるはずはないけど、して損はないかな」

「おっけー。追加で出しておくね」

「召喚獣がもう少し可愛ければ、同伴させるのにな」

「かわいいじゃん。三つ目の猫」

「いや……不気味だよ。夜見たら、泣きそう」

「そしたら、一緒に寝てあげるよ」

「ありがとう」

「どういたしまして」

「じゃぁ、戻ろ」

「うん」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

とある牢屋 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る