第2話 淳の初めての恋
自分の名前が嫌いだった。
もっと可愛らしくて、
もっと女の子っぽい名前が良かった。
「じゅんは、名前がゆうなちゃんとかあいちゃんとかいちごちゃんが良かったなぁ〜」
「じゅんちゃんだってカワイイよ」
そう言ってくれたのは、
バラ組の同じバスに乗る男の子だ。
「ほんと?」
「ほんと」
幼稚園の広い庭の砂場で、こんなふうに言われただけなのに。
こんなふうに言われただけで、
淳は彼を好きになった。
淳の初めての初めての恋。
だけどその子は、
淳の友達が前から大好きな男の子。
ここからもう淳は、
友達の恋を、
友達の好きな人を
奪っていった。
友達から奪う快感が
あったのかもしれない。
だって必ず私を好きになる。
そう信じていると
向こうから
やってくるんだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。