第4話 月名

 『ふところ島のご隠居』では、「一月」と書いて「むつき」と、わざわざルビをふっておりますが、なぜかというと、それは、「一月むつき」というのは、今の一月ではなく、今の二月のことだからです。



 昔と今とではこよみが異なりますので、季節感が、およそ一ヶ月、ずれるのです。


 江戸時代以前は、「陰暦」を使っていました。(旧暦)


 明治時代以降は、僕たちは「陽暦」を使っています。(新暦)



 「睦月むつき」というのは、新暦一月のことではなく、旧暦一月(今の二月)のことです。お隣の中国では今でも旧暦を大事にしていて、二月がお正月です。




一月むつき 睦月  ⇒ 今の二月・旧正月

二月きさらぎ 如月  ⇒ 今の三月

三月やよい 弥生  ⇒ 今の四月


四月うづき 卯月  ⇒ 今の五月

五月さつき 皐月  ⇒ 今の六月

六月みなづき 水無月 ⇒ 今の七月


七月ふみづき 文月  ⇒ 今の八月

八月はづき 葉月  ⇒ 今の九月

九月ながつき 長月  ⇒ 今の十月


十月かんなづき 神無月 ⇒ 今の十一月

十一月しもつき 霜月  ⇒ 今の十二月

十二月しわす 師走  ⇒ 今の一月

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