犬猿すれ違いLOVERS

煌烙

プロローグ

 金髪、バチバチのピアス、鋭い目付き、暴力沙汰で停学なんてことはしょっちゅう。学校一の問題児ヤンキーの設楽蒼世したらそうせい

 ひとつに綺麗に纏められた黒髪、乱れのない制服、成績優秀で先生からの信頼を学校一得ている現風紀委員長の嘉納柚葉かのうゆずは

 2人は高校1年生の時から犬猿の仲。


「おうおう、朝からぴしっとしてセンコーどもに媚び売るために笑顔振りまいて疲れねぇの? くそ真面目ちゃん」

「あら、そっちこそ制服が血で汚れてるけど、朝からご乱心でストレス抱えすぎなんじゃないの? ドMヤンキーくん」

「あん? なんだとコラ」

「何よ? そっちが先に喧嘩売ってきたんでしょ?」


 会えば喧嘩の2人だが、心の中は……。


(あーくっそ、朝から可愛すぎんだよこの野郎。その笑顔振りまくんじゃねぇよ、死人が出るだろうが!! はぁ、嫌味も睨んでくる顔も可愛すぎかよ、好き)

(いきなり声掛けないでよ、心の準備できてないのよ、馬鹿! 睨んでくるその顔ですらかっこいいってどういうこと!? 好きすぎてどうにかなりそうなんだけど!?)


 素直になれない2人のすれ違った恋心。果たして、彼らの恋の行先は…………_____。

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